災害に強い情報通信ネットワーク 導入ガイドブック2024
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軽減予防被害被害地 震津 波火 山感染症河川氾濫土砂災害火 災交通事故テロ③被害から回復する対策を超えた災害(想定外)・災害情報の伝達(危機的情報)・災害対策本部・救援・支援要請・避難所の開設災害発生復旧時間自然災害人災災害発生ハザード(予測困難)図3ー1 ハザードに対する三つの要素危機が発生した際、組織は混乱や被害などにより低下した機能を回復する活動を行います。その過程を示したのが次の図です。組織に脅威を与える自然災害、感染症、交通事故、テロ等の総称をハザード(予測できない危機)といいます。危機管理は、事前にハザードに対するリスクを想定し計画を立てて対策を取ることを指します。災害は常に想定外の事態を招く一面があり、そのリスクは普遍的なものとは言えません。常に災害に対する評価や対策・対応の見直しが必要になります。図3-1の三つ要素(①リスクを評価する、②被害を予防する、③被害から回復する)は、災害の対応後に、三つの要素が機能していたかを振り返り、そこから生まれた新たな認識をからリスクと対策(体制、計画、仕組み、ハード等)の相互に更新することを図示したものです。図3-2は、災害発生前の通常の業務量を100%とした場合、災害の被害により実施可能な業務量が著しく減少し時間の経過ともに回復すること表した図です。被害が大きい程、業務量が低下して復旧時間が長くなります。災害の対応を踏まえ三つの要素により検証・更新した危機管理により、被害の軽減や復旧の短縮につながる対策を実施することは、通常の業務量への回復を早めることから災害レジリエンス※を高める取り組みと言えます。1.危機管理の考え方業務量作成・構築、見直し・改修出典:危機対応標準化研究会編著「世界に通じる危機対応」日本規格協会を参考に作成災害に強い情報通信ネットワーク導入ガイドブック2024災害対応の結果生じた状況の変化災害対応の結果生じた状況の変化実行、改善危機管理三要素の実 施時間業務量通常の業務量(被害の復旧)(100%)等災害レジリエンスを高める防災力②被害を予防する・災害に対応する体制、各種計画・業務継続計画(BCP)・耐震、防潮堤、堤防・通信・広報手段の確保(ICTの活用)・避難所やハザードマップ・訓練 等減災力計画の履行①リスクを評価する・予測される災害の評価・過去の災害の評価・過去の災害対応の評価 等図3-2 危機を乗り越える力としての危機管理出典 :危機 対応標 準化研 究会編 著「世 界に通 じる危 機対応 」日本 規格協 会を参 考に作 成※レジリエンス:回復力短縮時間復旧時間Ⅲ.危機管理の重要性22

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