災害に強い情報通信ネットワーク 導入ガイドブック2024
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(1)行政事務全般に広がる情報通信システムと危機管理今日の情報通信システムは、デジタル化の進展により、電話やFAX、メール等の利用を前提とするだけではなく、ネットワーク越しにあるコンピュータ上の情報や外部の業務システムなどを連携させて機能するクラウドや様々なアプリケーションの利用が業務に浸透しています。自治体には、住民などの人命や財産を守る観点で日々災害対応業務を行う業務があり、衛星携帯電話や防災行政無線に代表される災害時の通信の確保を目的とした、地上設備の被害を受けにくい衛星や無線を使ったシステムの導入が進められています。一方で、指定公共機関など他機関との災害情報や被害情報の発信・共有、避難者情報の集約や物資支援管理など、クラウドを活用した災害対応業務に係る情報通信システムの導入が進められるなど急速に変化しています。また、行政事務全般にクラウドの利用が広がる中で避難者の確認や罹災証明の発給など、発災後に必要となる行政情報もネットワーク上のシステムで扱われることから、情報通信システムとして、災害時に機能を維持するシステム、早期に被害から復旧または代替えの手段で機能回復するシステムなど、業務継続の観点から情報通信システムの危機管理を行う必要が出てきています。災害対応において人命に直結する通信の確保は従前と変わらず最優先になりますが、災害後の業務の継続性観点から業務継続計画(BCP)が作成されるようになり、東日本大震災を契機に、内閣府が自治体への導入を進めてきました。内閣府(防災担当)がまとめた「大規模災害発生時における地方公共団体の業務継続の手引き」(令和5年5月)では、災害において自ら被災し、その状況から業務継続、復旧に係る手段を計画的に実施することで、早期に行政機能の復旧を目指す計画の作成手順がまとめられており、災害対応の事例集を含め次のホームページから入手することができます。(2)業務継続計画災害に強い情報通信ネットワーク導入ガイドブック2024出典:内閣府(防災担当)ホームページより⼤規模災害発⽣時における地⽅公共団体の業務継続の⼿引き等https://www.bousai.go.jp/taisaku/chihogyoumukeizoku/index.html3.災害に関係する業務と情報通信システム

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