① 業務継続計画の特に重要な6要素この手引きには、業務継続計画の中核となり、その策定に当たって必ず定めるべき特に重要な要素として、表3-3の6要素(表 3-1)をあらかじめ定めておく必要があるとされています。発災時に自ら被害を受けた状況において、情報通信システムとしての行政機能維持・復旧の観点で対処できる計画となっているかが重要になります。② 発災後の業務量また手引きでは、発災後に市町村が実施する業務の推移(図3-6)として、通常を超える業務量を示しています。「応急業務」と通常業務の中で災害時に優先して実施する業務として「非常時優先業務」の概念が示され、発災後、膨大な応急業務が発生し、時間の経過とともに徐々に通常の業務量に戻ることが示されています。大規模災害により被害を受け、限られた人員で膨大な応急業務に対処する危機的状況に対して、被害を最小限に留め重要業務を如何に遂行するのか、発災後の混乱状況の中でも重要な業務を遂行できるよう業務継続計画(BCP)を作成するとされています。1 首長不在時の明確な代行順位及び職員の参集体制首長が不在の場合の職務の代行順位、災害時の職員の参集体制を定める。・緊急時に重要な意思決定に支障を生じさせないことが不可欠。・非常時優先業務の遂行に必要な人数の職員が参集することが必要。2 本庁舎が使用できなくなった場合の代替庁舎の特定本庁舎が使用不能となった場合の執務場所となる代替庁舎を定める。・地震による建物の損壊以外の理由で庁舎が使用できなくなる場合もある。3 電気、水、食料等の確保停電に備え、非常用発電機とその燃料を確保する。また、業務を遂行する職員等のための水、食料等を確保する。・災害対応に必要な設備、機器等への電力供給が必要。・孤立により外部からの水、食料等の調達が不可能となる場合もある。4 災害時にもつながりやすい多様な通信手段の確保断線、輻輳等により固定電話、携帯電話等が使用不能な場合でも 使用可能となる通信手段を確保する。・災害対応に当たり、情報の収集・発信、連絡調整が必要。5 重要な行政データの バックアップ業務の遂行に必要となる重要な行政データのバックアップを 確保する。・災害時の被災者支援や住民対応にも、行政データが不可欠。6 非常時優先業務の整理非常時に優先して実施すべき業務を整理する。・各部門で実施すべき時系列の災害対応業務を明らかにする。業務継続計画の特に重要な6要素表3-1 業務継続計画の特に重要な6要素出典:内閣府(防災担当)ホームページより「大規模災害発生時における地方公共団体の業務継続の手引き」(令和5年5月)P.2より加工https://www.bousai.go.jp/taisaku/chihogyoumukeizoku/pdf/R5tebiki.pdf出典:内閣府(防災担当)ホームページより「大規模災害発生時における地方公共団体の業務継続の手引き」(令和5年5月)P.9より加工https://www.bousai.go.jp/taisaku/chihogyoumukeizoku/pdf/R5tebiki.pdf災害に強い情報通信ネットワーク導入ガイドブック2024図3-6 発災後に市町村が実施する業務の推移26
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