https://www.soumu.go.jp/main_content/000944535.pdf(1)業務継続計画の特に重要な6要素とICT部門のICT-BCP(2)システムとICT部門のICT-BCPの考察※「ICT-BCPチェックリスト」及びその概要について(出典:総務省ホームページより作成)業務継続計画に必要な要素として、内閣府(防災担当)が6つの要素をまとめています。さらに、自治体の情報システムの視点として、システムを管理・復旧するICT部門の対応としてICT-BCPチェックリストが、総務省自治行政局デジタル基盤推進室によって項目を整理した資料が公表されています。(表3-3 参照)ICT-BCPでは、災害において通信の途絶や停電などで情報通信ネットワークが使えない事態に陥った際に影響を受けるシステムを想定し、その復旧に関する責任を持つICT部門が対応する手順をあらかじめ整理する視点で記載されています。主にIPネットワークに接続する行政情報システムを想定したものと考えますが、新規のシステム導入や防災行政無線などの災害対応に係るシステムについても、事前に業務遂行の観点から使えない場合の復旧の可否や復旧させる時期などについて、事前に想定検証することは有効と考えます。また、利用者とICT部門のようなシステムの担当が異なり、多くのシステムの対応を行う場合など、復旧に係る客観的なリソースの目安や代替手段の検討材料としての活用も見込めます。表3-4に情報通信システムごとに作成したICT-BCPチェックリストを例示します。1 □非常時優先業務に必要な情報システムの復旧作業を行うために必要な、ICT部門の要員や外部事業者(ベンダー)の要員などの連絡先を把握し、参集体制を定めている。2 □災害発生時に、本庁舎が利用できなくなった場合や、クラウドサービスやデータセンターにアクセスできなくなった場合を想定し、代替拠点先でのICT資源を確保している。3 □災害発生時に、電力の供給が断たれた場合に、非常時優先業務に必要な情報システムを稼働するための非常電源を確保している。4 □災害発生時に、通常の通信回線が断たれた場合に、非常時優先業務に必要な情報システムを稼働するための代替通信手段を確保している。5.1 □平時に、非常時優先業務に必要な行政データを把握し、情報システム(クラウドサービス、データセンター含む)のデータのバックアップや、システム復旧に不可欠な書類を保管している。5.2 □災害発生時に、バックアップデータを参照するために必要な、代替手段を準備している。6.1 □全庁BCPの非常時優先業務に対して、ICT部門が支援する業務を遂行するために必要な重要資源(機器、インフラ)を把握している。6.2 □全庁BCPの非常時優先業務に対して、ICT部門が支援する業務内容と、その目標復旧時間を定めている。1 首長不在時の明確な代行順位及び職員の参集体制首長が不在の場合の職務の代行順位、災害時の職員の参集体制を定める。・緊急時に重要な意思決定に支障を生じさせないことが不可欠。・非常時優先業務の遂行に必要な人数の職員が参集することが必要。2 本庁舎が使用できなくなった場合の代替庁舎の特定本庁舎が使用不能となった場合の執務場所となる代替庁舎を定める。・地震による建物の損壊以外の理由で庁舎が使用できなくなる場合もある。3 電気、水、食料等の確保停電に備え、非常用発電機とその燃料を確保する。また、業務を遂行する職員等のための水、食料等を確保する。・災害対応に必要な設備、機器等への電力供給が必要。・孤立により外部からの水、食料等の調達が不可能となる場合もある。4 災害時にもつながりやすい多様な通信手段の確保断線、輻輳等により固定電話、携帯電話等が使用不能な場合でも 使用可能となる通信手段を確保する。・災害対応に当たり、情報の収集・発信、連絡調整が必要。5 重要な行政データの バックアップ業務の遂行に必要となる重要な行政データのバックアップを確保する。・災害時の被災者支援や住民対応にも、行政データが不可欠。6 非常時優先業務の整理非常時に優先して実施すべき業務を整理する。・各部門で実施すべき時系列の災害対応業務を明らかにする。内閣府(防災担当)業務継続計画の特に重要な6要素総務省自治行政局ICT-BCPチェックリストの項目表3-3「業務継続計画の特に重要な6要素」との関係災害に強い情報通信ネットワーク導入ガイドブック2024
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