災害に強い情報通信ネットワーク 導入ガイドブック2024
37/96

(第1世代~第5世代 / Beyond 5G(第6世代))表4-1 移動通信システムの進化(P.14 表2-1 再掲)通信事業者の提供する通信サービスは、電話やインターネットを提供する光などのブロードバンドなどの固定通信サービス。スマートフォンなどの携帯電話回線を利用した移動通信サービスなど、自治体を含め多くの住民や企業、災害対応機関など、もっとも身近な通信手段となっています。また、衛星通信など災害の影響を受けにくい通信サービスを提供する事業者もあります。前章で記載したとおり、過去の事例においても、大規模災害による電話などの通信の途絶が発生し、自治体の災害対応や行政機能の継続や回復に影響を与えてきた教訓があります。通信の途絶、通信が使えない期間を想定し十分に備えることは、必要不可欠と言えます。① 災害時優先電話の把握と連絡体制災害の救援、復旧や公共の秩序を維持するため、電気通信事業法に基づき、自治体をはめとする防災関係機関が、災害時の通信の混雑や通信規制を受けずに、優先的に接続・発信するサービスが、各電気通信事業者により提供されています。利用できる回線に限りがあり、古くから利用される制度であるため、既に対象の電話機などが自治体の中で設定されていることが多いと思います。適用される回線(番号)の把握と災害時の連絡体制をあらかじめ確認しておくことが重要になります。② 進化・普及する移動通信サービスとスマートフォンの有効性携帯電話は、第4世代(LTE-Advanced)以降、比較的大きなデータ通信が可能となり、音声通話、メール以外にも、写真や映像、GPSと連動した地図情報、Web会議、電子決済など、多彩なサービスをスマートフォン一つで利用できるようになり、国民の多くがスマートフォンを保有する時代になりました。また、その多くは、携帯電話回線の他、WiFiやBluetoothなどの通信機能を持ち、バッテリーによる稼働が可能なため、緊急地震速報や気象警報や避難情報(5段階の警戒レベル)、ハザードマップや避難所などの地図情報の提供など災害時の情報ツールとしても活用されています。災害時の活用の注意点としては、前述で挙げた大規模災害時の基地局の被害などによる通信の途絶が挙げられます。活用に際しては、発災から1週間以上使えないことを想定した対策が必要になります。また、スマートフォンを持っていない、或いは、操作がうまく使えない情報弱者に対しての対応に考慮する必要があります。出典:総務省ホームページより作成https://www.soumu.go.jp/menu_seisaku/ictseisaku/net_anzen/hijyo/yusen.html出典:電波政策の最新動向(令和5年2月27日総務省資料より)https://www.soumu.go.jp/main_content/000867581.pdf災害に強い情報通信ネットワーク導入ガイドブック20242 通信事業者の通信サービス36

元のページ  ../index.html#37

このブックを見る