災害に強い情報通信ネットワーク 導入ガイドブック2024
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https://www.iij.ad.jp/biz/public-safety/図4-6 公共安全モバイルシステム③ 公共安全モバイルシステム④ 衛星等を用いた通信サービス携帯電話技術を活用した公共機関向けの通信システムであり、平時は携帯電話として使用でき、災害発生時等には、機関の内部や、自機関と他機関との間で連絡・情報共有をする際に活用するシステムです。災害時優先電話に対応し、ー般ユーザによるアクセスの集中による混雑の影響を抑えて利用できるほか、マルチキャリア対応による冗長性を備え、災害発生時の公共機関※に向けたサービスとして令和6年4月より、株式会社インターネットイニシアティブ(IIJ)がサービスを開始しました。衛星通信は、地上で発生する災害の被害を受けにくいなど災害時の連絡手段として大きなメリットがあります。特にインフラに壊滅的な被害を受け停電と通信の途絶が同時発生するなど、孤立した地域では、電池で稼働する衛星を用いた通信サービスは、有効な通信手段となります。操作に若干の修練は必要でコスト面の課題はありますが、バッテリー稼働で誰でも電話番号による通話が可能な衛星携帯電話は、上空が開けた場所であれば利用可能なことから、災害時の連絡手段として活用されています。(図4-7参照)また、令和6年1月の能登半島地震では、比較的高速な通信が可能なStarLinkが活用され注目を集めました。今後、このような低軌道周回衛星やHAPS(High-Altitude Platform Station, 高高度プラットフォーム)を用いたコンステレーションシステムの計画も通信事業者等から発表され、これまでの災害対応を大きく変化させる可能性があります。(次ページ表4-2参照)出典: 電波政策 の最新動向(令和6年2月6日)総務省総合通 信基盤局 資料より作 成https://www.soumu.go.jp/main_content/000932571.pdf出典:株式会社インターネットイニシアティブ(IIJ)HPよりhttps://www.iij.ad.jp/biz/public-safety/※総務大臣が指定する機関(平成21年総務省告示第113号)図4-7 衛星通信技術の発展災害に強い情報通信ネットワーク導入ガイドブック20242022年Starlink通信速度:220Mbps2023年 ワイドスターⅢ通信速度:1.5Mbps2022年イリジウムCertus通信速度:1.4Mbps2018年インマルサットFX通信速度:50Mbps2013年スラヤ通信速度:60kbps2014年スラヤ IP+通信速度:444kbps14GHz帯・30GHz帯2.6GHz帯2010年ワイドスターⅡ通信速度:384kbps1.6GHz帯2010年インマルサットIsatPhone通信速度:2.4kbps2008年インマルサットBGAN型通信速度:492kbps

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