図4-12 市町村防災行政無線のイメージ被災地② 市町村防災行政無線市町村防災行政無線は、都道府県防災行政無線同様に市町村が災害対応や復旧等の対応のため市町村が開設する無線局を指します。市町村の災害関係機関の情報伝達に加え、住民に向けた情報伝達に主眼を置いた活用がなされています。市町村防災行政無線は、大きく分けて次の(A)移動系と(B)同報系(同報無線)の2種類に大別されます。A 移動系市町村役場と支所、住民広報、避難所対応など様々な災害対応を行う車両や職員との連絡手段であり、同報系が主に住民に対する情報伝達手段であるのに対して、移動系は主として市町村内の通信手段といえます。また、市町村役場のほか消防、警察等の防災関係機関や医療、電気、ガス等の生活関連機関にも移動局が配備され、地域における関係機関相互の防災通信網として利用されています。無線局としては、260MHz帯防災行政無線が主体となります。また、移動系は、都道府県のとの調整により共通に利用するチャンネルを取り決めている自治体もあります。B 同報系(同報無線)市町村から住民等に対して同時に屋外のスピーカから直接音声で防災情報や行政情報を伝えるシステムです。住民に近いシステムであることから「防災無線」と略して呼ばれることもありますが、市町村防災行政無線のごく一部分を指すことから同報系として説明します。無線局としては、60MHz帯の周波数のシステムで無線通信区間で約1.5km程度の距離の通信を行い屋外拡声器(スピーカ)から音声で情報発信を行います。このため屋外にいる住民を含め多くの人に情報同時に伝達できるメリットがあります。また、屋外音声スピーカの音が聞き取りづらいなどのニーズから屋内の個別受信機に無線で伝送するタイプを導入するケースもあります。同報 系のス ピーカトラ ンシー バ車載型トランシーバ住宅街職員車載型トランシーバ災害に強い情報通信ネットワーク導入ガイドブック2024トランシーバ広報車トランシーバ避難所個別受信機市町村(災害対策本部)B 同報系住宅街A 移動系中継局地域住民に向けた情報伝達職員、災害対応機関との連絡
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