災害に強い情報通信ネットワーク 導入ガイドブック2024
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LAN② インターネットVPN (Virtual Private Network)仮想的な専用線(特定の接続に限定)インターネットVPN(図5-3)は、誰でも利用するインターネットなどのネットワークを使いながらも、認証、暗号化、カプセル化、トンネリングの技術を用いることで、セキュリティを担保した仮想的な専用線を引く技術であり、一般的に多く使われる技術です。災害により地域の通信インフラが使えない場合、通信衛星などでインターネットVPNを使い迂回路を作るなどの際に用いられている技術です。なお、技術的にVPNの利用ができても、セキュリティポリシーとしてインターネットへの接続を禁止する場合もあります。行政事務で用いる電子情報は、多くの場合、行政端末(パソコン)とデータサーバーの間でネットワークを介して情報のやり取りを行うことで、膨大なデータベースに蓄積した情報の活用や他の職員との情報のやり取りを行っています。第Ⅱ章で説明したDX化やクラウド化の多くは、データセンターなど、処理能力の高いサーバーを活用してさまざまなアプリケーションやサービスを提供する場合があります。データセンターの多くは、強靭な建屋、バックアップ電源やサーバー、ネットワークの冗長化(多重化)など、耐災害性を前面に出したサービスを行っています。特に災害時に必要な情報や被害を避けたい情報を扱う場合は、コストだけではなく、データセンターの耐災害性を十分に確認することが重要になります。(4) データセンターのリスク分散強靭化との費用対効果耐災害の例【立地】ハザードマップなどで災害の影響を受けにくい北海道と九州に設置(分散)【建屋】免震・耐震構造【電源環境】非常用電源72時間稼働【通信環境】地上回線と衛星回線【メンテナンス】24時間対応災害に強い情報通信ネットワーク導入ガイドブック2024人工衛星九州データセンタ北海道データセンタVPNルータLANVPNルータ様々なゲートウェイから誰でも繋がるインターネットVPN(Virtual Private Network)図5-3 インターネットVPNのイメージ図5-4 データセンターの耐災害性の例52

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