県立病院自治体自治体高校体験者の声:避難所と連絡ができたのは4日目以降、本庁が関わる70カ所の避難所の情報を集めることができたのは3月下旬だった。5月後半に、ようやく各避難所に携帯電話が設置され、やりとりできるようになった。被災支所の防災無線が中継局と交信し続けてしまい、電波占有及び中継局の電池切れにより、他の地区本部が無線を使用出来なくなってしまった。15時25分頃に防災無線で津波の情報(3m)を聞いた。計画通り3Fに避難したが、危険と判断し、患者、避難住民、職員を屋上に移した(途中で被災)。発災直後に津波の情報があれば、犠牲者を減らすことが出来た。携帯電話は通じなかった。職員、生徒の安否は1週間程度かけて直接会いに行き確認した。携帯が通じた後で、少数の安否をメールで確認した。市町村の情報担当者の証言より被害状況は地域によって異なりますが、甚大な被害が発生した地域では、固定電話/携帯電話、防災行政無線といった重要インフラそのものに被害が発生し、臨時機材が用意されるまでの数週間、それらの通信サービスが利用できない状況が続きました。その結果として、避難者支援(津波等によって発生した孤立地域の支援、傷病人等の救護、避難所への救援物資の手配等)の迅速な対応が困難な状況が発生しました。このことから、地震/津波等の大規模な災害が発生した場合であっても、地域住民の安心・安全確保に向けた必要な手段を講じるために、情報連携の仕組みの確立が重要となります。東日本大震災は、2011年3月11日14時46分頃に発生。三陸沖の宮城県牡鹿半島の東南東130km付近で、深さ約24kmを震源とする地震でした。岩手、宮城、福島県を中心とした太平洋沿岸部を巨大な津波が襲い情報通信インフラに甚大な被害が発生しました。当協議会が最初に2014年6月に作成したガイドライン(本ガイドブックの初版)からは、通信インフラの消失により、初動時の住民への危機情報の伝達、安否確認、避難所の情報収集などが挙げられ、災害時の通信の確保の重要性が挙げられています。被害の規模は違いますが、令和6年1月に発生した能登半島地震でも、道路、通信のインフラが広範囲に著しい損傷を受け、孤立地域との連絡が取れない事態が起こりました。これは東日本大震災から13年経過しICT技術が進んだ今も同様の課題が内在することを意味します。情報通信ネットワークが途絶した当時の状況を教訓として振り返ります。一方で、東日本大震災後の市町村の情報担当者の証言から望まれたクラウド化や罹災証明書の発給や避難所運営など災害時の行政需要に対応した仕組みやICTを活用した支援システムなどが登場し徐々に導入されつつあります。1 庁舎や情報システムを失い、行政機能を発揮できない事態。2 電源や通信網が喪失、長時間使えない地域が多数発生したこと。3 罹災証明書や避難所運営など行政需要が急増。様々な防災対策と同様に…東日本大震災で自治体が直面したこと(2)東日本大震災の教訓災害に強い情報通信ネットワーク導入ガイドライン第1版より災害に強い情報通信ネットワーク導入ガイドブック2024災害時の通信の確保も重要
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