防災気象情報は「直観+納得」で動けるものに 検討会中間とりまとめ 防災ニュース

8月22日 国土交通省と気象庁による「防災気象情報に関する検討会」の中間とりまとめ(案)が7月25日の第4回検討会で発表されました。さまざまな種類があって混乱しがちな気象情報をシンプルでわかりやすく再構築し、気象災害の危機感が適切に伝わるようにするための有識者会議で、第4回の検討会で中間とりまとめ(案)が提出され、意見交換が行われました。2024年度内に報告書がまとめられる予定です。

中間とりまとめ(案)によると、防災気象情報には、すばやい行動を促すための直感的に動ける「簡潔な行動情報」と、状況判断や見通しを適切に行うための納得度の高い「ていねいな解説情報」との2種類が必要とされました。情報を受けた者が主体的な判断を行い、自主的な行動を支援するために情報を整理し、データを積極的に活用できるよう、加工可能な形でデータを提供することを目指します。

防災気象情報では、現在、災害発生を警戒すべきレベルのものから、注意のレベルのもの、防災関連情報など、さまざまな情報が提供されています。

●警戒レベル相当情報(洪水等・土砂災害・高潮)
・指定河川洪水予報、水位到達情報
・洪水警報、洪水注意報
・大雨特別警報(浸水害)、(大雨警報(浸水害)、大雨注意報)
・大雨特別警報(土砂災害)、土砂災害警戒情報、大雨警報(土砂災害)、大雨注意報
・高潮特別警報、高潮警報、高潮注意報
・早期注意情報
※上記のほか、地図情報として
・キキクル(洪水、浸水、土砂災害)
・水害リスクライン

●警戒レベル相当情報に位置づけられていない警報等(暴風・波浪・大雪・暴風雪)
・暴風特別警報、暴風警報、強風注意報
・波浪特別警報、波浪警報、波浪注意報
・大雪特別警報、大雪警報、大雪注意報
・暴風雪特別警報、暴風雪警報、風雪注意報

●防災に関連の強いその他の情報
・顕著な大雨に関する情報
・記録的短時間大雨情報
・全般・地方・府県気象情報
・台風情報・竜巻注意情報 など

●警報のない注意報
・濃霧注意報
・雷注意報
・乾燥注意報
・なだれ注意報
・着氷注意報、着雪注意報
・霜注意報、低温注意報
・融雪注意報

出典:気象庁 防災気象情報に冠する検討会 中間とりまとめ(案)概要

 

精度の高い情報が多様な形で提供されており、活用の幅が広がっている一方で、情報を読み解くのが難しくなっているともいえます。観測状況を提供するだけでなく「いま何が起きているのか」「今後どうなるのか」が一目でわかる情報で、命を守る行動がすばやく、的確にとれるよう促す必要があります。また、情報の受け手の多様性に配慮し、誰もが自ら必要な情報を取り込んで適切な判断や行動をとることができるよう、加工可能なデータの提供の充実も求められています。気象情報を活用し、平常時から積極的な行動をとることも重要です。今後の検討内容にも注目しておきましょう。
 
防災ログ事務局:南部優子


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