災害時の栄養・食生活、考えていますか? -アレルギー対応食などの準備を忘れずに- 防災ニュース

2021年3月30日

3月30日 
大規模な災害が発生すると、身の安全を守ることを最優先に、その他は後回しで考えます。そのひとつが食事でしょう。非常事態だから味や栄養は最低限でやりすごします。ところが、人によってその「最低限」が異なる場合もあります。例えばアレルギー。通常食でうっかり体内に入ってしまうとアナフィラキシー・ショックで命に関わってしまうかもしれません。

10年前の東日本大震災では、アレルギー対応食が備蓄されていなかったり、備蓄はあったのに通常食にまぎれて配布されてしまい必要な人に届かなかったりしました。また、災害時は交通が遮断されて支援物資の到着が遅れ、やむなく通常食を口にした人もいたといいます。

災害時のアレルギー対応については、厚生労働省と日本アレルギー学会が共同で立ち上げた「アレルギーポータル」というサイトに情報がまとまっています。アレルギーポータルは、アレルギー疾患に関する情報が広く集められています。災害時のアレルギー対策についてのページも設けられており、パンフレットなども公開されています。

<アレルギーポータル 災害時の対応ページ>
https://allergyportal.jp/just-in-case/

災害時の食については、東日本大震災の教訓を踏まえ、日本栄養士会が災害支援チーム(JDA-DAT)を結成し、被災地の支援や平常時の防災活動を始めています。熊本地震のときには被災地内へ栄養士を派遣し、活躍しました。

JDA-DATでは、災害が発生した際に国や被災地と連携し、次のような支援活動を行っています。
・被災地の情報収集、現地入りした他の支援団体との連携
・緊急栄養補給物資の支援(特殊栄養食品ステーション設置)
・栄養補給活動
・対応の困難な被災者を医療機関とつなぐなどの支援

現在JDA-DATはリーダー719名、スタッフ2,574が所属し、いざというときに備えています。
また、平常時には地域での防災活動への支援も行っています。

防災ログ事務局:南部優子


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