関西空港 ターミナルビル全面再開 コラム

2018年9月25日

9月25日 台風21号で大きな被害を受けた関西国際空港が21日(金)にターミナルビルを全面再開した。実に17日ぶりのターミナルビルの再開と同時に、特に被害の大きかった第1国際貨物地区でも運用が始まり、当初数か月かかると言われた空港機能が復活した。

今回近畿や関西地区に甚大な被害をもたらした台風21号は8月28日に南鳥島近海で発生した。その後発達しながら進み、9月4日に「非常に強い」勢力のまま徳島県に上陸、その後も勢力を保ったまま兵庫県に再上陸した。「非常に強い」勢力のまま本土へ上陸するのは、1993年の台風13号以来25年ぶりとなった。

その中でも記録的な高潮は関空に大きな被害をもたらした。大阪では一時、1961年の第2室戸台風で記録された最高潮位を上回る329センチを記録、関空でも滑走路や駐車場など広範囲で冠水し、関空のある関空島では利用客を含め3千人が孤立するという事態となった。また強風による影響も大きく、関空と対岸を結ぶ連絡橋にタンカーが激突するという衝撃的な事故が発生、道路部分まで損傷し、本日時点でも回復していない。

関空は乗降客数で羽田、成田に次ぐ国内3位であり、昨年には3年連続で乗降客数の過去最多を更新していた。格安航空会社(LCC)の就航や増便などでアジアからの訪日客も増えてきた最中の被災であり、関西地区への経済面への影響も懸念されている。

今回のターミナルビル全面再開に伴い、関空はホームページ上に運営会社 関西エアポート社のメッセージを掲載した。その中で同社社長は「今回の自然災害が想定を超えるものであった」、「新しい災害時緊急対応マニュアルの準備に着手していく」としており、北海道地震同様、事前防災の重要性が再認識されたと言える。

防災ログ運営事務局 石岡直木


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