アウトランダーがあれば災害時も1週間は安心! コラム

2017年6月20日

6月20日

三菱自動車が問うPHEVのある生活(後編)

“防災の鬼”で車好き。今回の企画のために生まれてきたような渡辺実氏。昨日公開した前編では三菱自動車のプラグインハイブリッド車「アウトランダーPHEV」の自動車としての能力について語った。ここからはこの車を使った「V2H(Vehicle to Home)」の実力を見ていく。「PHEVによるV2H」という文字面だけではイメージが湧かない。実際はいったどんな世界なのだろうか、関東三菱自動車販売の次世代店舗「電動 DRIVE STATION」にて渡辺氏が完全リポート。


 

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実際に停電から家庭を救ったアウトランダーPHEVの写真

 

まずは写真をご覧いただきたい。

「これは一昨年、岐阜の高山市が大雪に見舞われたときに撮影されたものです。雪の重みで電線が切れたのか、かなり広い範囲で停電になりました。そのときにアウトランダーPHEVのオーナーさんが車から電気を家の中に取り込んで、1週間を過ごしたのですが、これが第1日目の様子です。オーナーさんご本人から提供いただきました」(三菱自動車国内営業本部国内企画部部長付の小野勉氏)

「私たち専門家は、被災物資の備蓄は1週間分が基本だと指導します。これは1995年の阪神・淡路大震災から変わりました。なぜかというと、このときに電力会社の復旧能力から逆算されたのです。阪神・淡路大震災以前は備蓄は3日分って言われていた。ところが一度あれだけ大きな災害が起こると、電気の復旧に1週間はかかるということがわかった。だから内閣府も含めて電気の復旧には1週間かかると考えたほうがいいとの結論になったわけ。東京都の被害想定でも電力復旧には6日間としています。そうしたところから現在では被災物資の備蓄は1週間分が基本になったわけなんです」(渡辺氏)

熊本地震の際、電力が完全に復旧したのは発災から5日後だった。こうしたところからも渡辺氏の指摘が正しいことがわかる。

「被災後の生活を支えるのはやっぱり電力。でも電気は備蓄ができない。もし自家用車で電気の備蓄や発電することが実現できれば、停電になっても恐くないわけですよ。あとは家がちゃんと住める状態なら、避難所などに行かなくても生活できる。もっと極限で考えると熊本地震では余震が恐くて、車中避難が多かったですね。車中避難する場合でもこの車の中で100ボルトの電気が使えますから炊飯器でご飯を炊いたり、電気毛布で暖を取ったり、それこそパソコンで情報の収集・発信も可能になったり、車中避難も全然怖くない。これを可能した車がアウトランダーPHEVなんです。岐阜の体験談がなによりこれを証明している。私が防災・危機管理ジャーナリストとしてこの車に興味を持つのはそうした能力があるからなんです」(渡辺氏)

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写真左はアウトランダーPHEVから家の中にコードを引き入れ、電気スタンドを使っている様子。写真右は同じようにお風呂場の明かりを灯した様子だ。

 

車の電力を家庭内コンセントで使うには?

関東三菱自動車販売の電動 DRIVE STATIONには、アウトランダーPHEVを使った「V2H」の生活を体験できるブースが設置されている。

大雪による停電をアウトランダーPHEVで乗り越えた前述の例の場合、車から延長コードを家の中まで伸ばし、これに電気スタンドなどの家電を接続して使用した例だ。これも「V2H(Vehicle to Home)」といえばそうなのだが、三菱自動車の想定する「V2H」はもう少し先を見ている。

「これだと元からある部屋のコンセントは使えない。つまり、家庭の配電盤に直接PHEVの電流を流して使うことができないということです。電気の安定供給を実現するため、現在の法律では、東京電力などの電力会社から送られてくる電気と家庭の発電機で作る電気は別々に扱わないといけないことになっているのです」(渡辺氏)

「それを一緒に利用できるようにするのが家庭用の太陽光発電システムを利用した『V2H』です」(小野氏)

東京電力などの電力会社から送られてくる電力は交流だ。従って、家庭内にある各種の電気製品は交流電力によって動くようになっている。一方、太陽光発電やPHEVで発電するのは直流電力である。中間に変換装置を挟まなければ電気製品で使うことはできない。

住宅用の太陽光発電システムは、屋根の上などに設置したパネルで太陽光エネルギーを取り込むことで太陽光電池が発電した直流電力をパワーコンディショナー(パワコン)と呼ばれる装置で交流電力・電圧・周波数に変換し配電盤へ入れる。その配電盤に入れた電気を家庭内の電気製品が使用するわけだ。

ただし、アウトランダーPHEVやプリウスPHVの車内アクセサリーコンセントからは直流を交流に変換した100V、1500Wの電力を、延長コードなどを使用して直接家の中へ供給できる。

関東三菱自動車販売の電動 DRIVE STATIONには三菱電機の太陽光発電システムが設置されている。これに使われている『三菱電機EV用パワーコンディショナ(変換機)』にアウトランダーPHEVをつなぐことで、車から供給する電力も家庭内で使える交流電力に変換できる。その結果、本来のV2Hが実現するわけだ。

では、アウトランダーPHEV1台でどれぐらいの家庭内電力の需要が賄えるのであろうか?

「アウトランダーPHEVは1500Wの電力を供給できます。ところが一口に1500Wといっても、それがどれほどのものなのか、なかなかイメージがわかないのではないでしょうか?」(小野氏)

 

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防災・危機管理ジャーナリスト/株式会社まちづくり計画研究所 代表取締役所長/技術士/防災士
渡辺 実

1974年工学院大学工学部建築学科卒業。公益社団法人日本都市計画学会、一般財団法人都市防災研究所等を経て、1989年に株式会社まちづくり計画研究所設立、代表取締役就任。
国内外の自然災害被災地、大規模事故現場へ足を運び、被災者、被害者の立場にたって問題や課題をジャーナリスティックに指摘。現場体験をベースに、災害報道の検証や防災対策についても国民サイドにたった辛口の提言を続けている。
2007年より、NPO法人日本災害情報サポートネットワーク理事長としても活動。

◇主な著書
『巨大震災その時どうする?生き残りマニュアル』(日本経済新聞出版社) 2013
『都市住民のための防災読本』(新潮社) 2011
『大地震に備える 自分と大切な人を守る方法』(中経出版) 2011


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