ハリケーン「マシュー」ハイチで死者300人越え 防災ニュース

2016年10月8日

過去10年近くで最大級の大型ハリケーン「マシュー」に直撃されたハイチで死者数が300人を超えた。「マシュー」は米東部時間7日早朝現在、カテゴリー3(5段階中3番目の強さ)に分類される勢力で、米フロリダ州の東岸沖を北上している。

現地時間6日夜(日本時間7日朝)、マシューの中心気圧は939hPa、最大風速(1分平均)60メートルで、ハリケーンの指標で上から2番目に強い「カテゴリー4」の勢力です。

仮にマシューがフロリダに上陸すると、沿岸部で破壊的な被害が発生する恐れがあります。最大瞬間風速は70メートル、最大雨量300ミリ、さらに巨大な高潮や竜巻の発生が予想されています。

オバマ大統領は5日、フロリダ州とサウスカロライナ州に非常事態宣言を発令。米国内ではすでに200万人以上が避難している。米国にカテゴリー4のハリケーンが上陸するのは、2004年のハリケーン「チャーリー」以来。当時は南部州に140億ドル相当の損害が出た。

ハイチは世界でも特に貧しい国のひとつ。2010年の地震で大統領府などが崩壊して以来、政府機能が不十分な状態が続き、防災対策はほとんどとられていない。住民の多くは災害多発地域に建てられた、壊れやすい住宅での生活を余儀なくされている。2010年の地震の後には、国連救援部隊の到着をきっかけにコレラが発生し、数千人が死亡した。大規模な森林伐採によって土壌はやせ細り、不安定な地盤に建てられた建物はただでさえもろい状態にある。


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