気象庁が取り組むべき課題 有識者らがまとめる 防災ニュース

2018年8月29日

8月29日 国土交通省交通政策審議会の気象分科会は21日までに、気象庁が2030年までに優先的に取り組むべき課題を提言としてまとめた。豪雨の1時間前に警報を出す「シビアストームアラート」など新たな警報の運用や、局地的な大雨が降る確率を地域ごとに表示するなど予測精度の更なる向上を求めた。

2017年に発生した九州北部豪雨や今年の西日本豪雨など、記録的な大雨が発生している中で、現在の技術では「線状降水帯」などの予測は難しく、段階的な改善を求めている。3~5年後には特別警報級の大雨が半日先までに降る確率を、地域ごとに確認できるようにし、早めの避難行動につなげてもらう。また人工知能技術を応用し予測精度を向上させ、豪雨の1時間前に警報が出せるようにする「シビアストームアラート」という新たな警報システムの運用を2030年までに開始するよう提案している。

加えて台風の進路予測や低温・高温や熱波・寒波などの予測、地震や津波、火山観測に関しても誤差の縮小や早期の予測を求めた。自然災害の脅威が以前より増している中で、優先的に取り組むべき課題をまとめた今回の提言について、気象庁の担当者は「目標の実現に向けて取り組む」としている。


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