前線活発 各地で記録的な大雨に 防災ニュース

2021年8月16日

8月16日 台風9号が去ってまもない8月11日から活発になった前線の影響により、全国各地で記録的な大雨が続き、河川のはん濫や土砂災害の危険が高まっています。前線の活動は、16日から17日にかけても活発になり、九州地方などで雨が強まったり、非常に激しく降るおそれもあります。厳重な警戒が必要です。佐賀県嬉野市で11日の降りはじめから15日までのあいだに1000mmを超える雨量になるなど、各地で記録的な大雨となっています。平年の8月ひと月分の3倍を超えるところもあります。国土交通省の発表では、15日正午までの時点で、9県36河川ではん濫が発生し、15府県44件の土砂災害が発生しました。被害は、以下のように九州から中部地方まで広い範囲に及んでいます。

<河川はん濫>
・佐賀県:12河川
・福岡県:6河川
・広島県:6河川(うち2河川で堤防が決壊)
・岐阜県:5河川
・大分県:2河川
・島根県:1河川
・滋賀県:1河川
・福井県:1河川

<土砂災害>
・長崎県:11件
・広島県:7件
・熊本県:5件
・佐賀県:4件
・福岡県:3件
・富山県:3件
・鹿児島県:2件
・石川県:2件
・大阪府:1件
・京都府:1件
・滋賀県:1件
・岐阜県:1件
・長野県:1件
・福島県:1件

この大雨による人的被害は、15日21時時点で死者・行方不明者10名、負傷者5名となりました。
<人的被害>
・長崎県:死者3名、行方不明者2名、負傷者1名
・長野県:死者3名、負傷者2名
・広島県:行方不明者1名、負傷者1名
・熊本県:行方不明者1名
・福岡県:負傷者1名

15日20時現在、広島県と佐賀県のあわせて約5万世帯12万人に対し、最も危険とされる警戒レベル5にあたる「緊急安全確保」が発表されています。前線は、週末(20日ごろ)まで日本列島付近に停滞する見込みです。南の海上にはまもなく台風となる熱帯低気圧もあり、さらに刺激される可能性もあります。

現在まだ浸水被害や土砂災害が起きていなくても、今後の少しの雨で災害になるかもしれません。雨が弱まったとしても油断しないで、気象情報や避難情報などに注意し、すぐに安全を確保できる状態を保ちましょう。

気象庁のホームページで、防災情報、天気予報、気象観測情報、海洋情報など、まとまってチェックできます。また、スマートフォンだと「NHKニュース防災」などのアプリで情報をすぐに確認することができます。

長く続く大雨の場合は特に、これからどのくらいの雨が降る見込みなのか、土砂災害や河川氾濫などの危険がどのくらい高まっているのかを常に確認し、安全が確保されている間に適切な場所へ移動しておくことが肝心です。情報をできるだけこまめに集め、「逃げ時」を見失わないよう、くれぐれも注意してお過ごしください。

画像左:気象庁ホームページの各種情報メニュー(メニュー下は気象衛星ひまわりの画像) 右:NHKニュースアプリ「ニュース特設大雨情報(8月)」より、データマップの各種画面。2021年8月15日

 

防災ログ事務局:南部優子


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