大雨情報の読み取り方 状況把握のポイントを押さえておこう 防災ニュース

2021年8月18日

8月18日 大雨が続いています。九州から東海や北陸にかけ、発達した雨雲が次々とやってきて、全国的に記録的な雨量となっています。11日の降り始めから17日16時までの雨量は、長崎県雲仙岳で1204mm、佐賀県嬉野市で1169.5mm、佐賀市で1001.5mmと千ミリを超えました。佐賀市・嬉野市は、この1週間ほどの降雨で年間の降水量の半分を超えてしまいました。

特に九州地方や、広島県、岐阜県、長野県では大量の水が降り続いていることから、今後はちょっとした雨でも土砂災害や河川のはん濫、内水による浸水が起きる可能性もあります。その他の地域でも、土壌に含まれる水が多くなり、危険の迫っているところがあるかもしれません。今後の気象情報や危険度情報をこまめに確認し、早めの予測を行いましょう。

雨を数えるときには降水量を参考にします。降水量はmm(ミリメートル)で数えます。降った雨を容器に溜めたときの深さを測っているわけです。降水量は一定の期間内に溜まった数値で表します。短いものは1時間あたり、長いと24時間(1日)、48時間(2日)、72時間(3日)などがあります。

1時間あたりの降水量(雨量)は、雨の降り方の激しさを表します。10mm以上でザーザーとした雨、20mm以上で土砂降り、30mm以上でバケツをひっくり返したような雨、50mm以上で滝のようにゴーゴーと降る雨、80mm以上だと視界が悪くて車も運転できないくらい、恐怖を感じる雨といった具合です。

24時間や72時間の降水量では、土壌にしみこんでどのくらい水を含むようになっているかがわかります。「今後24時間に降る雨の量は200mmから300mm」といった予報が出されますね。
例えば、300mmの降水量は、多くの地域で平年の8月の1カ月分を超えます。つまり、たった1日で1カ月分の雨が降ることになり、土壌が水を保持しきれなくなって土砂災害が起きたり、堤防が水を溜めることのできる限界を超えてはん濫したりする危険が高くなるわけです。雨をどのくらい溜めることができるかは土地の状況によって異なります。160mmの降水量で河川が氾濫した例もあります。

自分の地域で今降っている雨がどのくらい「いつもの状態」なのかを知る目安として「大雨の稀さ情報」を利用してみましょう。このデータは、降った雨の量がどのくらい稀な状態であるかを、「50~100年に1度の大雨」というように、色分けして確認することができます。

画像提供:防災科研 雨の稀さ情報サイトより 72時間実効雨量の稀さ情報 2021年8月17日現在の状況

https://midoplat.bosai.go.jp/web/3p-rainrp/index.html

この画像だと、72時間の降水量が、九州北部では50年に1度のような大雨になっていることがわかり、かなり稀な状態、つまり非常事態になっているのではないかと予測することができます。

気象庁が発表する雨の予測や土砂災害危険度情報などとあわせて、今自分たちの地域がどのくらい非常事態になっているのかを想像してください。現状の把握と見込みのアンテナを高くし、早めに対策を打つようにしましょう。

防災ログ事務局:南部優子


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