台風12号の影響にも注意を【8月11日からの大雨】 防災ニュース

2021年8月23日

8月23日 8月11日から長く続いた大雨は、いったん前線が北上し、活動が弱まっています。一方で台風12号が沖縄を通過して北上しています。23日朝には熱帯低気圧となって、24日から25日にかけて本州の天候に影響を与える見込みです。

8月11日の降り始めから22日15時までの降水量では、佐賀県嬉野市で1124.5mm、長崎県雲仙岳で1295.5mmと、1200ミリを超えています。いま強い雨がなくても土砂災害の危険が高まっているところが多くなっています。引き続きの警戒が必要です。

これまでの大雨の被害は、九州、中国、信越などを中心に、死者・行方不明者9名、負傷者13名の被害が発生しています。国管理と都道府県管理の河川を合わせ、26水系59河川ではん濫などの被害が発生し、土砂災害警戒情報は34都道府県450市町村で発表があり、土石流58件、地すべり20件、がけ崩れ137件発生しました。

今回の大雨では、14日の午後から夜にかけて気象庁のホームページが閲覧しにくい状況になりました。一時的なアクセス集中によるもので、以前に大規模な障害が発生したときに強化対策をとっていましたが、それを上回るアクセスとなったのです。

気象庁は、気象や地震などの自然災害情報について、常に確かな情報を発信する機関として、さまざまな機関が情報を共有し、対応を判断しています。気象庁のホームページは2021年2月にリニューアルされており、そのときに防災機関向けの専用サイトと一般向けのページが統合され、情報が一元化されていました。誰もが重要な情報にアクセスできるようになっていたのは良かったのですが、一方で、今回のような障害が発生したときには、行政やインフラ関係などの災害対応にも重大な影響を与えてしまいます。

気象庁では15日と20日にシステムを改良し、今後のアクセス集中に耐えられるよう機能強化を図りました。引き続き安定したサイト運用を図るとともに、ふたたびアクセス集中で閲覧できなくなった場合には、国土交通省やNHKなどを利用するよう呼びかけています。

気象情報・災害情報は、的確な対応をすばやく行うための命綱といっても過言ではありません。停電や浸水、通信途絶などのインフラ対策だけでなく、気象情報などの情報入手先についても、アクセス集中でサイトがダウンしたときにすぐ別の気象関連の情報サイトやアプリへアクセスできるよう、代替手段を確保しておきましょう。

画像提供:気象庁 天気図 左:2021年8月22日12時の実況図、右:48時間予想図

 

防災ログ事務局:南部優子


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