土砂災害は何度でも起きる 自分の土地を正しく知ろう 防災ニュース

2021年8月25日

8月25日 2014年8月20日に発生した「広島土砂災害」から7年たちました。19日の夜から20日の明け方にかけ、数百年に1度より少ない確率で発生した記録的な大雨により、広島市内に同時多発的に土砂災害が発生しました。広島市のまとめによると、土石流107箇所、がけくずれ59箇所、計166箇所の土砂災害が発生し、死者77名(うち災害関連死3名)という大きな人的被害となりました。
この土砂災害を教訓に、土砂災害防止法の改正が行われています。

広島県は、何度も大きな土砂災害に襲われています。
・2016年(平成30年7月豪雨):広島市、呉市、三原市、東広島市、熊野町、坂町ほか
・2014年(平成26年8月豪雨):広島市、安芸高田市、三次市、福山市
・2010年(平成22年7月豪雨):庄原市
・2006年(平成18年台風13号):広島市、北広島町、安芸高田市
・2001年(平成13年芸予地震):呉市
・1999年(平成11年6月豪雨):広島市、呉市
平成以降に死者が発生した主なものを挙げただけでも上記のように、数年おきに発生していることがわかります。

画像提供:広島県「みんなで減災」はじめの一歩 広島県の特徴や風水害そ知ろう! より広島県の地質。あかい部分がもろく崩れやすい花崗岩。

 

広島県でこのように土砂災害が発生しやすいのには理由があります。
ひとつは、地質の問題です。広島県の山地は主に広島花崗(こう)岩といわれる岩石からできており、この花崗岩は風雨にさらされると砂のように崩れやすい「真砂(マサ)土」と呼ばれる土になっていきます。水を含むと非常にもろくなるのです。

もうひとつの要因は、街が山に近いという点です。平野が少なく、海からすぐのところに山が迫っていて、多くの川が流れています。ごく狭い平野に人口が集中してしまうため、山肌を開発して住むところを広げていくうち、危険な区域に近づいてしまっているのです。

広島県では、このような土地の特徴をよく知り、自分たちで被害を軽減するよう、さまざまな情報を公表しています。

「土砂災害ポータルひろしま」では、土砂災害のおそれのある区域をあらかじめ「知る」、気象災害の危険が迫っていることを「察知する」、災害が起きたらどのようになるのか、どんな備えが必要なのかを「学ぶ」という3つの観点から情報にアクセスできるようになっています。

 

画像提供:広島県 土砂災害ポータルひろしま トップページ

https://www.sabo.pref.hiroshima.lg.jp/portal/top.aspx

 

多くの山と川に囲まれているのは広島県だけではありません。日本全国どこでも同じような地形のところがあります。自分たちの住んでいるところや勤務先・通学先がどのような地形や地質なのかを知り、天候の状態にあわせて危険を察知して対処できるよう、日頃から情報を集めておきましょう。

防災ログ事務局:南部優子


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