防災力は「まねっこ」で 津波34メートル想定の黒潮町がビデオシリーズを作成

2021年9月25日

9月25日 高知県黒潮町は、南海トラフ巨大地震で最大34メートルの津波がやってくるとの被害想定が出された自治体です。被害想定のあまりの大きさに、一時は災害対策を諦めそうになったこともあるといいます。そのような中、少しでも地域での防災を進めようと、さまざまな取り組みがなされています。

黒潮町では特に、巨大津波に対する備えとしてコミュニティの防災に力を入れています。全国でもなかなか策定が進まない地区防災計画(自治会程度の単位で地域がつくる防災計画。地域防災計画にも紐付けられ、正式な防災対策として認められる)は、黒潮町の61のすべての自治会で策定が進められています。町では全職員を61自治会に振り分けて担当させ、防災活動を支援しています。

しかし、黒潮町の取り組みがはじめから順調だったわけではありません。どの自治会も何をやればよいのか手探りの状態でした。試行錯誤で地区ごとに進められたさまざまな工夫を、実際に取り組んだ住民の視点で整理した動画教材がまとめられました。

取組みのヒントのひとつとして、黒潮町では「まねっこ防災」というキーワードを掲げています。
地区防災計画を策定したり運用したりするとき、他のところでよかったものがあればどんどんまねていけば防災が広まりやすくなるのではないかというわけです。
黒潮町のホームページには「まねっこ防災」による取り組みのアプローチとして、以下の動画が公開されています。

1)概要編
・地区防災計画が誕生するまでの経緯
・地区防災計画とは何か
・地区防災計画の取り組み方
・黒潮町の事例

2)避難の事前準備編
・避難(事前準備編)の概要
・訪問式の家具固定
・ブロック塀の撤去

3)避難の発災後対応編
・避難(発災後対応編)の概要
・スマホアプリを使った避難訓練
・玄関先までの避難訓練

4)衣食住の事前準備編
・衣食住(事前準備編)の概要
・個人ボックス
・不用品の備蓄

5)衣食住の発災後対応編
・衣食住(発災後対応編)の概要
・テント設営訓練
・安否確認訓練

サイトには、簡単なワークシートもついていて、動画とワークシートの使い方も記載されています。地区防災計画の策定を意識したものにはなっていますが、事前対策と事後行動の要点がまとまっているため、地域でも職場でも参考になるところがたくさんあるはずです。ぜひ参考にして、いざというときにすばやく動けるように話し合っておきましょう。

黒潮町情報防災課 地区防災計画入門ビデオシリーズ「まねっこ防災」のアプローチ
https://www.town.kuroshio.lg.jp/pb/cont/jouhoubousai-osirase/28854

画像提供:黒潮町情報防災課 地区防災計画入門ビデオシリーズ「まねっこ防災」のアプローチ