帰宅困難になったら家に帰りますか?

2021年11月23日

11月23日 11月19日内閣府は、首都直下地震などの災害発生時に生じる帰宅困難者の問題について、有識者委員会を設置し、検討を開始しました。10月7日に発生した震度5強の地震により、駅などで長時間過ごす人がいたり、タクシー乗り場に長蛇の列ができたり、シェアサイクルの自転車が一斉に在庫切れになったりと、さまざまな事態がみられました。今回の委員会はその教訓をふまえて設置されたものです。今後、地震の規模など災害の状況や、交通機関の復旧状況に応じて効果的な対応ができるよう、ガイドラインの改定などを進めるとしています。

帰宅困難者問題は、首都圏など人口が集中するところで深刻化します。東日本大震災の教訓を受け、現在のガイドラインでは、首都直下地震などの大規模災害発生時、救助救急などの緊急活動を妨げないよう、地震発生から3日間は帰宅を抑制する方針になっています。

今回の委員会でも、むやみに帰宅しない方針を根本的に変えるものではありませんが、被災の程度や復旧の状況に応じて効果的な支援策をとれるよう、帰宅抑制を呼びかける地域を絞り込み、情報伝達方法などを議論することにしています。

外出時に地震と遭遇すると、通信規制で連絡がつかない状況の中、家族の安否やペットなどが気がかりだと、心理的要素もあって、できるだけ早く帰宅したくなるものです。しかし、自分ひとりぐらいは動いても影響ないだろうと考え、あらゆる手段を使って連絡をとり帰宅しようとすると、積もり積もって通信の輻輳を生んだり、道路にあふれかえる帰宅者の人並みや車の渋滞で緊急対応車が通れなくなったりし、大きな影響を与えてしまうのです。

特に、朝夕に通勤移動の波があり昼間人口が集中する都市部では、一人ひとりのちょっとした動きが大きな影響につながります。今回の議論をふまえてガイドラインが改定され、改善ポイントが示されるはずです。都市部の企業は規模にかかわらず災害発生時の帰宅困難者対策を見直すようにしましょう。

<外出時の万一に備えて>
移動時には、万一のときに必要となる必要最低限のものをまとめておくと安心です。
「防災ポーチ」にまとめれば、かばんを替えたときでもさっと移し替えができて便利です。
使用期限があるものは、ローリングストックの考え方で普段から使いまわしておくとよいでしょう。
・モバイルバッテリー、ケーブル
・ウエットティッシュ、消毒スプレー、マスク
・小銭
・携帯トイレ、アルミブランケット、携帯用カイロ
・小型のライト、ホイッスル
・常備薬、コンタクトレンズケアの予備、生理用品
・常温の飲み物、機能性食品

防災ログ事務局:南部優子