防災ボランティアのはじまり 阪神・淡路大震災

2022年1月17日

1月17日 1月17日は、阪神・淡路大震災(兵庫県南部地震)が発生した日です。
1995(平成7)年1月17日午前5時46分、まだ夜が明けきらない暗闇の中、巨大地震が突然神戸の街と淡路島を襲いました。地震の規模はマグニチュード7.3、神戸市で観測した震度7は史上初の最大レベルでした。この地震による被害は、死者6,434名、行方不明者3名、負傷者43,792名。住家全壊約10万5,000棟、半壊約14万4,000棟に上ります。ライフラインや交通機関も停止しました。延焼火災が大規模に発生し、空襲が起きたのかと思わせる状況となり、都市部での巨大地震がいかに大きな被害を発生させるのかを世に知らしめた震災でした。

阪神・淡路大震災を教訓に、内閣府中央防災会議をはじめ、多くの調査プロジェクトや検討会が立ち上がりました。それまで風水害対策が中心だった防災計画が大きく見直されていきました。例えば、次のようなものが阪神・淡路大震災を契機として始められています。
・地震の長期評価、地震動予測地図の発表
・自動的に震度を推定する計測震度の導入、全国の自治体への計測震度計の整備
・建築物の耐震性能強化に関する法律の整備、建築基準法の耐震基準の改訂
・被災建築物の応急危険度判定、罹災証明のための住家の被害認定調査の体制整備
・ボランティア活動促進のため、特定非営利活動団体の法人化(NPO法人の制定)

さらに、消防など公的機関だけでは到底対応しきれない現実をふまえ、地域コミュニティや企業などの支え合い、ボランティアなども大きく取り上げられるようになりました。
この大災害から自発的に被災者支援を行うボランティア活動の機運が高まり、1997年ナホトカ号海難事故、2004年新潟県中越地震、2011年東日本大震災、2016年熊本地震、2017年九州北部豪雨、2018年平成30年7月豪雨と、大規模な災害が発生するごとにボランティアの活動は機能が整備され、大きな被災地支援の活動となってきています。このため、阪神・淡路大震災は「ボランティア元年」とも呼ばれています。

国では、阪神・淡路大震災が起こった1月17日を毎年「防災とボランティアの日」と定め、前後の1週間にあたる1月15日から21日までを「防災とボランティア週間」とし、普及啓発活動を行っています。災害による被災を私たちのこととして考え、自助や共助のあり方を見直す契機となった阪神・淡路大震災の日を思い、私たちのまわりの防災活動をふりかえってみましょう。

例えば、1月15日から21日までの「防災とボランティア週間」の期間は、電話・通信関連の各社で災害用伝言ダイヤル(171)、災害用伝言板(web171)などのサービスの体験利用ができます。

職場や家庭であらかじめ安否確認手段を決めてあったとしても、いざとなったらアプリが使えない、アクセスできないなど、不測の事態が起きないとも限りません。バックアップの意味でも、各社が開放する伝言サービスを利用しておきましょう。

この期間には、大規模な災害が発生したときに開設される「災害用伝言サービス」の体験利用もできます。
災害はいつ襲ってくるかわかりません。いまいちど、災害時に「私と私たちがなすべきこと」を考える機会としてご活用ください。

阪神・淡路大震災「1.17の記録」より、ポートアイランドからのぞむ長田方面の火災

 

防災ログ事務局:南部優子