日向灘でM6.6の地震 震度5強を観測

2022年1月23日

1月23日 1月22日の深夜午前1時8分ごろ、日向灘を震源とする大きな地震がありました。地震の規模はマグニチュード6.6(暫定値)、震源の深さは45km。この地震により、大分県の大分市、佐伯市、竹田市、宮崎県の延岡市、高千穂町で最大震度5強を観測しています。そのほか、震度5弱を高知県宿毛市、熊本県阿蘇市で観測するなど、九州から四国にかけての広い範囲で揺れが観測されました。津波はなかったとされています。この地震により、道路の亀裂や、塀・石垣の倒壊などのほか、天井や外壁が剥がれ落ちたりマンホールから水があふれたりする被害が生じ、道路の一時通行止めや臨時休館などが発生しました。

日向灘は、今後30年以内に70~80%、40年以内では90%の確率で発生するとされる南海トラフ巨大地震の想定震源域に入っています。南海トラフ巨大地震は、海側のプレートと陸側のプレートの境界で発生する「プレート境界型」の地震と想定されていますが、今回の地震の震源は沈み込んでいる海側のプレートの内部深くで発生した可能性が高いとされています。強い力がかかっているプレート内部の岩盤が壊れるタイプの地震とみられ、岩盤がずれた方向もプレート境界型の地震とは異なっていたため、南海トラフ巨大地震の発生メカニズムは別ものと考えられています。

気象庁では、想定震源域周辺でマグニチュード6.8以上の地震が発生した場合、専門家らで構成する検討会を開き、「南海トラフ地震臨時情報(調査中)」を発表することにしています。今回の地震は、その基準に満たなかったため発表はされませんでした。

日向灘ではプレート境界型の地震を含め、大規模な地震が度々発生しています。20世紀後半だけでも、マグニチュード7クラスの大規模地震が3回発生し、津波も観測しています。
・1961年 マグニチュード7.0
・1968年 マグニチュード7.5
・1984年 マグニチュード7.1
日向灘を震源とする地震でマグニチュード6.5以上となったのは1996年のマグニチュード6.7以来、約25年ぶりです。

今回の地震では大きな人的被害は報告されていませんが、余震は続いています。気象庁はこの地震を受け、大分県と宮崎県の一部自治体で土砂災害警戒情報の発表基準を引き下げています。地震の強い揺れで地盤が緩み、降雨時の土砂災害の危険性はいつもより高まっていると考え、注意が必要です。

気象庁 2022年1月22日01時40分発表 震源・震度情報2報

 

防災ログ事務局:南部優子