気象庁が命名した豪雪 昭和38年豪雪、昭和56年豪雪、平成18年豪雪

2022年2月6日

2月6日 暦の上では立春を過ぎましたが、強い冬型の気圧配置が続いています。気温の低い状態も重なり、東日本を中心に積雪に注意が必要です。気象庁が命名した雪による災害には、「昭和38年1月豪雪」「昭和56年豪雪」「平成18年豪雪」があります。意外なようですが、21世紀になってからも豪雪災害は発生しています。

【昭和38年1月豪雪】
1962年12月~1963年2月。北陸地方を中心に東北から九州にかけての広い範囲で降雪。特に平野部での降雪が多くなりました。最深積雪は、福井213cm、富山186cm、金沢181cm、伏木(富山県高岡市)225cm、長岡(新潟県長岡市)318cmを記録。積雪は九州にも及び、日田(大分県日田市)39cm、阿久根(鹿児島県阿久根市)38cmなど。山間部では100cmを超えた所もありました。除雪が追いつかず孤立集落が多数発生。雪の重みによる住家や施設の倒壊も相次ぎました。2月になると寒気の流入は収まったものの、北陸や中国地方を中心に雪崩や融雪による洪水が発生しました。
・死者228名、行方不明者3名
・負傷者356名
・住家全壊753棟、半壊982棟
・床上浸水640棟、床下浸水6,338棟 など

【昭和56年豪雪】
1980年12月~1981年3月。日本海北部からオホーツク海に進んだ低気圧が発達して停滞、強い冬型の気圧配置が続きました。1月から2月にかけても全国的に気温が低く、大雪となりました。最深積雪は、敦賀(福井県敦賀市)196cm、山形113cmなど、観測開始以来の記録を更新しました。鉄道などの交通機関が麻痺。5日間も雪に閉じ込められた急行列車もありました。
・死者133名、行方不明者19名
・負傷者2,158名
・住家全壊165棟、半壊301棟
・床上浸水732棟、床下浸水7,365棟 など

【平成18年豪雪】
2005年12月~2006年3月。非常に強い寒気が日本付近に南下し、強い冬型の気圧配置が断続的に現れて、日本海側で記録的な大雪になりました。各地で12月の積雪の最大記録が更新され、東日本と西日本で12月の月平均気温が戦後最も低くなりました。最深積雪は、新潟県津南町で416cmの最大積雪を観測したほか、23地点でこれまでの最大記録となりました。また、12月の最大記録106地点、1月の最大記録54地点で、2月の最大記録18地点、3月の最大記録4地点と各地で記録を更新しました。屋根の雪下ろしなど除雪中の事故や、落雪・倒壊家屋の下敷きになるなども人的被害が多数発生したほか、家屋の損壊や交通障害、電力障害等、各地で大きな被害となりました。死者の7割は雪下ろし中の事故(転落・心臓発作など)でした。38豪雪や56豪雪を経験した人もいましたが、中山間地の高齢化・過疎化が進み、地域での雪対策の難しさも浮き彫りになりました。
・死者152名
・負傷者2,145名
・住家全壊18棟、半壊28棟、一部損壊4,667棟
・床上浸水12棟、床下浸水101棟 など

雪の被害は降雪時だけでなく、積雪の重みや凍結による被害、気温が緩んでからも雪崩や融雪による洪水など、長期にわたって災害をもたらします。今後も引き続き、気を引き締めて過ごしましょう。

写真出典:上2点:ながおか防災ホームページ「38豪雪」、下2点:福井県文書館「38・56豪雪の記録」より左38豪雪、右56豪雪

 
防災ログ事務局:南部優子