市町村の約2割が災害廃棄物の仮置場の選定ならず 総務省、環境省へ勧告 防災ニュース

2022年3月2日

3月2日 総務省は、2月25日、災害廃棄物対策処理に関する事前の備えについて市区町村を対象に行った調査結果を踏まえ、明らかとなった課題への対策を行うよう環境省に勧告しました。この調査は、総務省が環境省の行政評価・監視として行われたもので、13都道府県、70市町村、31関係事業者等を対象に、2021年1月から2022年2月にかけて実施されました。

調査によると、市町村の災害廃棄物の推計は地震災害では進んでいるものの、近年増大する水害については把握が低調であること、仮置場の必要面積を把握しているにもかかわらず約2割の市町村が候補地の選定に至っていない、候補地が決まっていても7割弱が現況調査などを行っていないなどの課題が明らかになりました。

災害廃棄物は、平常時の廃棄物とは次のような点が異なるため、一般廃棄物のみを取り扱う多くの市区町村のノウハウだけでは適正な処理が難しいという現状があります。
・一度に大量に発生する
・自身や水害など、自然災害の種類により性状が違う
・平常時の産業廃棄物として処理される性状のものも含まれている

災害からの早期の復旧・復興には、災害廃棄物の迅速な処理が不可欠です。このため、平常時からの備えが重要だとされているものの、現実には、災害廃棄物処理計画の実効性が低くスムーズに進まなかった事例や、初動対応が遅れ、悪臭など生活環境や公衆衛生が悪化した事例が発生しています。

今回の調査はこうした実災害からの教訓を背景とし、総務省が環境省と関連自治体・事業者を対象に行ったもので、災害廃棄物の発生量の推計、仮置き場候補地の選定、関係機関との連携協力などの「事前の備え」がどの程度進んでいるのかについて現状を明らかにしました。

調査の結果、以下の3つの課題が明らかとなり、総務省から環境省に対し、改善を求める勧告が出されました。

【勧告1】地震のみならず水害も想定した発生量推計への支援
地震災害については災害廃棄物の推計量の把握が進んでいるが、近年激甚化・頻発化している水害の把握が低調
⇒災害廃棄物対策の改定など

【勧告2】市区町村有地以外の候補地を含め、必要・適切な仮置場候補地の選定の支援、災害時に円滑に機能するための措置
仮置き場の必要面積を把握しているにもかかわらず約2割の市町村が仮置場候補地の選定に至っていない
⇒候補地の選定に至っていない要因・課題の把握・検証が必要
国有地や都道府県有地はごくわずか
⇒関係部局等との事前の利用調整や現況把握の促進

【勧告3】民間事業者団体等との実効性のある連携への支援
市町村が締結する協定で「仮置場の管理・運営」を明示する例はわずか
⇒災害支援協定に「仮置場の管理・運営」を明示する事例の展開など

参考URL
総務省「災害廃棄物対策に関する行政評価・監視<結果に基づく勧告>
https://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/hyouka_040225000155147.html

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災害廃棄物
「事前災害に直接起因して発生する廃棄物のうち、生活環境保全上の支障へ対処するため、市区町村等がその処理を実施するもの」と定義されています(環境省「災害廃棄物対策指針」)。被災した家屋を片付ける際に出る片付けごみと、損壊家屋の解体などに伴い出てくるものが災害廃棄物とされ、被災生活中に出る生活ごみや避難所のごみ、し尿は対象外となります。

画像出典:環境省 災害廃棄物処理の大まかな流れ「災害廃棄物対策の基礎」より

 

防災ログ事務局:南部優子


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