3月11日を「防災教育と災害伝承の日」へ 協定締結 防災ニュース

2022年3月8日

3月8日 東日本大震災の発生から11年。この3月11日を国が定める「防災教育と災害伝承の日」に制定しようと、3月4日、東北大学と震災伝承に取り組む団体が協定を締結しました。

協定では、東日本大震災の「3.11の日」に関する制定活動や活動調査支援などに連携・協力し、政府、関係機関、学校関係、伝承関係に呼びかけ、制定活動を推進し、防災教育と震災伝承の強化により、生きるチカラの涵養やレジリエント社会構築の実現化を目指すとしています。

東日本大震災は、2011年3月11日に宮城県沖で発生した東北地方太平洋沖地震による揺れ・津波の災害と、津波に伴い発生した福島第一原発の事故が特徴の、巨大広域災害です。マグニチュード9.0は国内最大の規模でした。
宮城県北部を中心に最大震度7と、広範囲で大きな揺れが起き、また巨大津波が沿岸を襲いました。東北地方を中心に12都道県で被害が発生。死者・行方不明者は2万2千人以上、ライフラインも停止し、燃料も不足、原発事故の影響で大規模な電力不足が発生し計画停電が行われるなど、全国に大きな打撃を与えました。大規模な広域避難による影響は現在もなお続いています。

東日本大震災を踏まえ、さまざまな災害対策の検証が行われ、災害対策基本法や防災基本計画の改正、各種の災害対応のガイドラインが作られるなど、取り組みが進みました。
「防災教育」と「災害伝承」は、この見直しのなかで初めて災害対策基本法の中に明文化されました。強化の取り組みが進められ、2017年と2018年に改定された学習指導要領の中でも防災に関する内容が拡充されています。

一方、東日本大震災から11年が経過し、記憶の風化が進んでいます。近年多発する災害を前に防災力向上のためのいっそうの取組みが求められる中、防災教育や過去の災害伝承からの学びは地域や学校によって取り組みに大きな差があるのが課題です。

そこで、東北大学災害科学国際研究所の今村文彦所長をはじめとする防災教育・津波防災・地震学などの専門家が中心となって進めているのが、東日本大震災の発生した3月11日を「防災教育と災害伝承の日」に制定しようという取組みです。
3月4日には、東北大学災害科学国際研究所と一般社団法人東北地域づくり協会が協定締結の調印式を執り行いました。

協定では、東日本大震災が発生した「3.11の日」の制定により、震災体験の伝承や、人材教育、安全・安心の確保、将来の災害への備えなど、地域のレジリエンス力を高め、持続的発展を図るとしています。

防災ログ事務局:南部優子


関連ニュース