巨大地震への備え(1)「予知」ではない南海トラフ地震臨時情報 防災ニュース

2022年3月15日

3月15日 本年1月22日の深夜、日向灘を震源とするM6.6の地震があったのを覚えているでしょうか。この地震があと少し規模の大きいM6.8以上の地震だった場合、「南海トラフ地震臨時情報(調査中)」が気象庁から発表されていました。

臨時情報というと、2004年から2017年まで発表されていた東海地震に関する情報(予知情報・注意情報・観測/臨時・定例調査情報)のイメージが重なって、「これから南海トラフ地震が来る」という予知情報のように思われがちなのですが、実際は違います。南海トラフ震源域で「半割れ」「一部割れ」「ゆっくりすべり」などの異常現象が観測され、その現象が南海トラフ沿いの大規模な地震と関連しそうな場合に発表される情報です。つまり、特定の異常現象をもとに、その影響を受けて巨大地震が発生した場合に備えるためのアラートなのです。

南海トラフ地震臨時情報は、南海トラフ沿いの大規模地震の発生の可能性が平常時と比べて相対的に高まったと評価された場合などに気象庁から発表されます。2019年3月に策定された「南海トラフ地震の多様な発生形態に備えた防災対応検討ガイドライン(第1版)」を受けて、2019年5月31日より運用が開始されました。

ここで発表される情報は、「南海トラフ地震臨時情報」と「南海トラフ地震関連解説情報」があり、臨時情報には(調査中)(巨大地震警戒)(巨大地震注意)のキーワードをつけて発表されることになっています。

 

南海トラフ地震臨時情報は、およそ次のような流れで、最短で2時間程度の間に発表される段取りとなっています。

では、このような情報が発表されたとき、実際にどんな行動をとればよいのでしょうか。
これについては、「南海トラフ地震の多様な発生形態に備えた防災対応検討ガイドライン(第1版)」を確認しましょう。基本的な考え方や住民、自治体、企業別の心得などが記載されています。ガイドラインの話は、次の記事でご紹介していきます。

本文参考資料「南海トラフ地震の多様な発生形態に備えた防災対応検討ガイドライン(第1版)」
http://www.bousai.go.jp/jishin/nankai/pdf/honbun_guideline2.pdf

 

防災ログ事務局:南部優子


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