福島県沖で震度6強の地震 防災ニュース

2022年3月21日

3月21日 福島県沖で大規模地震が発生し、関東地方から東北地方の広い範囲に影響が及びました。東日本大震災とは発生のメカニズムが異なりますが、「3.11」に近い日に発生した地震で、津波注意報も発表されて警戒を促されたこともあり、不安な夜を過ごした方も少なくなかったと思われます。

2022年3月16日23時36分頃、福島県沖で最大震度6強を観測する地震が発生しました。地震の規模を示すマグニチュード(M)は7.4(暫定値)、震源の深さは57km。東北地方を中心に広い範囲で、震度6強から震度5弱まで大きな揺れを観測しました。

この地震の影響で、18日現在(12:30政府発表より)、次のような被害が発生しています。
・人的被害:死者3(うち災害関連死者1)名、負傷者183名
・建物被害:半壊1件、一部損壊185件
・避難状況:避難所10箇所、避難者数114名
・停電最大戸数:東北電力管内 約148,100戸、東京電力管内 約2,085,430戸
・断水最大戸数:岩手・宮城・福島・埼玉・千葉県内23事業者 約69,990戸
(福島県内8事業者 約43,712戸は断水中)
・通信被害:携帯電話の基地局が約10局停波(停電・伝送路断による)、MCA無線1局停波
・都市ガス:安全確認後17日18:00より導管送ガス再開、熱供給事業の供給支障再開
・テレビ/ラジオ:テレビ最大2,800世帯、ラジオ最大341,735世帯
・道路:高速道路18日12時に通行止め解除、県道2県10区間で通行止め
・交通:東北新幹線脱線、高速バス3社5路線運休、路線バス1社5路線運休
・エレベーター:閉じ込め41件

今回の地震は、沈み込む太平洋プレートの内部で発生した地震で、震源が57kmと深かったため、揺れた範囲が大きくなりました。実は、この地震の2分前(23時34分)にも強い揺れがあり、2回の地震が立て続けに起きていました。1回目の地震でプレート内部に力がかかってプレートの一部が壊れ、この影響を受けて2回目の地震で他の大部分がさらに大きく壊れました。この働きがより大きな揺れにつながったと考えられます。

11年前に発生した東日本大震災時の地震は、海側と陸側のプレートの境界で固着域がすべることで生じる「プレート境界型」で、今回の地震とは発生メカニズムが異なります。このため、東日本大震災の余震ではありません。また、東日本大震災の地震は深さが約24kmとかなり浅かったこともあり、津波の発生でも大きな違いがありました。
それでも、同じようなエリアで発生した大地震で、日付が近いこともあり、「3.11」を思い出し、不安な夜を過ごされた方も多かったことでしょう。

今回の地震から約2日後の18日23時25分頃、岩手県で震度5強を観測する地震がありました。震源地は岩手県沖、震源の深さは18km、M5.6と推定されています。16日の地震との関係は不明とされていますが、このあたりでは東日本大震災の余震とは無関係に、M7から7.5程度の地震が繰り返し活発に起きています。

大規模地震が発生した後は、1週間程度は同じくらいかそれ以上の規模の地震が発生する可能性があり、注意が必要です。東北新幹線の脱線や断水など、被害の影響もまだ続いています。十分な警戒を行ってください。

画像出典:気象庁地震情報 2022年3月16日23時42分発表 震度速報

防災ログ事務局:南部優子


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