線状降水帯予測 6月1日から半日前から情報提供 防災ニュース

2022年5月26日

5月26日 6月1日から、これまで予測困難とされてきた「線状降水帯」が、半日前から情報提供されるようになります。

近年、毎年のように線状降水帯が発生し、甚大な被害をもたらす大雨となっています。線状降水帯は事前に予測することが困難とされてきました。
気象庁では、線状降水帯の予測精度を強化するため、産官学共同で取組みを進めています。現在、船舶GNSS(Global Navigation Satellite System / 全球測位衛星システム)による洋上の水蒸気観測など、観測の強化や、研究機関と連携した予報モデルの開発を前倒しで進めており、第一段階として、「半日後に、九州北部で発生」といった形で半日前からの予報を開始するものです。

予報の対象は、まずは大まかな地域を対象として行い、2029年度には市町村単位での発表が行えるよう、予測精度を上げて行く予定です。予測精度を高めるための取組として、複数の大学の研究機関と連携した高密度な集中観測を実施し、線状降水帯のメカニズム解明を図るほか、文部科学省と理化学研究所の全面的協力のもと、スーパーコンピューター「富岳」を活用し、開発中の予報モデルのリアルタイムシミュレーション実験を行います。

頻発する集中災害への対応の強い味方となりそうです。まもなく全国が梅雨入りの時期を迎えます。6月からの気象予報に注目です。

【線状降水帯とは】
線状降水帯は、次々と発生する積乱雲が列をなして積乱雲群となり、数時間にわたってほぼ同じ場所に停滞あるいは通過していく雨域です。長さは50~300km程度、幅は20~50kmと、細い帯のようになって、同じような場所へ大量の雨が数時間にわたり降り注ぎ、河川の氾濫や土砂災害を引き起こします。

画像:気象庁「顕著な大雨に関する気象情報」より、線状降水帯の表示例・発生の模式図

画像:気象庁「顕著な大雨に関する気象情報」より、線状降水帯の表示例・発生の模式図)
https://www.jma.go.jp/jma/kishou/know/bosai/kenchoame.html

防災ログ事務局:南部優子


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