BCP策定は大企業7割、中堅4割 令和4(2022)年防災白書 防災ニュース

2022年6月15日

6月15日 政府は令和4年(2022年)版の防災白書を閣議決定し、PDF版を公表しました。本年の白書では「大規模災害からいのちを守るために」のタイトルで特集が組まれ、2021年に発生した主な災害とその教訓から検討された災害対策の方向などが示されています。

BCP(事業継続計画)への取組状況をみてみると、2021年度にBCPを策定済みとした企業は、大企業で7割強、中堅企業で4割強と、政府が当初目的とした「大企業はほぼ100%、中堅企業は50%」の目標には至らなかったことが明らかになりました。策定中を含めると大企業は約85%、中堅企業は約52%でした。地方公共団体のBCP(業務継続計画)は、2021年6月1日時点で都道府県は100%、市町村で約97%となっています。

【防災白書とは】
白書とは、政府が施策の周知を行うために発行する年次報告書です。防災白書の公表は、災害対策基本法第9条第2項に定められており、年度内の災害状況や防災に関してとった措置の概況を記述するとともに、年度内に実施予定だった計画の報告を行うものです。

防災白書は毎年、閣議決定を経てこの時期に公表されるのですが、およその構成は、その年度に特徴的だった事象についての特集が巻頭に入り、本文は第1部が災害対策に関する取組状況、第2部が防災に関してとった措置の概況、第3部が今後の計画、資料編となっています。

今回公表された防災白書の巻頭特集は、「大規模災害から命を守るために」をテーマに、2021年度に発生した大規模災害の概況と教訓を踏まえた災害対応の検討について整理するとともに、さらなる災害対策拡充として、次の事項について対策推進を示しています。
・個別避難計画の作成・被災者支援システムの構築
・日本海溝・千島海溝沿いの巨大地震対策
・首都直下地震の帰宅困難者等への対策
・防災・減災、国土強靭化新時代の実現(デジタル・防災技術、事前対策・複合災害、防災教育等)
・学校における防災教育
・防災×テクノロジー官民連携プラットフォーム
・気候変動リスクを踏まえた防災・減災対策

防災白書は、日本における災害の現状や、これまでの国内での取組状況と今後の計画をみわたし、現在どのようなところへ重点的な取り組みが行われているのかの方向を知るよい機会となります。特集だけでも目を通しておくことをおすすめします。

内閣府 防災白書のページ
https://www.bousai.go.jp/kaigirep/hakusho/index.html

画像出典:令和4年版防災白書 図表1-8-2「大企業と中堅企業のBCP策定状況」

 

防災ログ事務局:南部優子


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