6割以上の市区町村で女性の防災担当者「ゼロ」 内閣府調査 防災ニュース

2022年6月30日

6月30日 内閣府では、地方公共団体における男女共同参画の視点からの防災・復興に係る取組状況についてのフォローアップ調査を行っており、5月に調査結果を公表しました。調査によると、全国の市区町村で防災・危機管理部局に女性担当職員がいない割合が62%と、3分の2近くにのぼることがわかりました。一般の行政職員における女性の割合の半分程度です。

この調査は、内閣府男女共同参画局が「第5次男女共同参画基本計画」に基づき策定した「災害対応力を強化する女性の視点~男女共同参画の視点から防災・復興ガイドライン~(以下、ガイドライン)」の活用徹底と、地方公共団体の取組状況をフォローアップし、「見える化」することを目的として行われました。ガイドラインでは、次の7つの基本方針のもと、平常時、初動段階、避難生活、復旧・復興の4つの段階ごとに取り組むべき事項を定めています。

1.平常時からの男女共同参画の推進が防災・復興の基礎となる
2.女性は防災・復興の「主体的な担い手」である
3.災害から受ける影響やニーズの男女の違いに配慮する
4.男女の人権を尊重して安全・安心を確保する
5.女性の視点を入れて必要な民間との連携・協働体制を構築する
6.男女共同参画担当部局・男女共同参画センターの役割を位置付ける
7.要配慮者への対応においても女性のニーズに配慮する

また、備蓄や避難所のチェックリストやポスターなどの資料もついていて、災害発生時に現場ですぐに活用できるようになっています。

画像出典:災害対応力を強化する女性の視点~男女共同参画の視点からの防災・復興ガイドライン~よりチェックシート

 

大規模災害時には、緊急のいのちを守る行動だけでなく、助けたいのちをつなぐための対策が不可欠です。女性担当者がいないと、多様な被災者支援の視点を確保できないなどの問題が起きやすくなるのは行政だけではありません。職場や地域の防災対策に、こうした女性の視点が抜けていないか、ガイドラインをもとにチェックし、多様な人と話し合いながら備えておきましょう。

 

画像出典:ガイドラインに基づく地方公共団体の取組状況調査(令和3年)

 

防災ログ事務局:南部優子


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