ラニーニャ現象が秋まで継続する可能性が高くなる(エルニーニョ監視速報) 防災ニュース

2022年7月20日

7月20日 気象庁は7月11日、エルニーニョ監視速報を発表しました。現在発生しているラニーニャ現象が秋の終わりまで継続する可能性が60%と高くなっています。厳しい暑さが長期間にわたり続く見込みとなりました。猛暑と残暑による影響が大きくなるとみられます。

ラニーニャ現象は、貿易風と呼ばれる東風が平常時よりも強く吹き、太平洋東部で冷たい水の湧き上がりが平常時より大きくなります。このため、太平洋赤道域の中部から東部で海面水温が低くなる一方、西部のインドネシア近海では暖水が厚く蓄積し、積乱雲が盛んに発生するようになります。

6月の実況では、エルニーニョ監視海域の海面水温の基準値からの差は0.7度と基準値より低い値になっています。また、太平洋赤道域の海面水温は、中部から東部で平年より低くなりました。海洋表層の水温は西部から中部で平年より高くなっています。
太平洋赤道域の日付変更線付近の対流活動は平年より不活発、中部の大気下層の東風(貿易風)は平年より強くなりました。

今回のラニーニャ現象は、昨年の秋から続いており、今後の見通しとしては、夏の間に平常の状態になる可能性が40%、秋の終わりまでラニーニャ現象が続く可能性が60%と、ラニーニャ現象が続く可能性のほうがより高くなっています。

ラニーニャ現象になると、夏は気温が高まる傾向があります。6月21日現在の気象庁の季節予報では、7月から9月にかけて、気温が高くなる確率が九州から北海道にかけて50%以上と、高めの予測になっています。

気象庁 季節予報07-09月

 

ラニーニャ現象が続くことにより、気温の高い状態がさらに続くことになりそうです。
熱中症や細菌による感染症、電力不足などさまざまなところへ影響が出る可能性があります。気象庁の1か月予報などを活用し、きめ細かな体調管理で乗り切りましょう。

気象庁 エルニーニョ監視速報より 発生確率

 

防災ログ事務局:南部優子


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