8月5つめの台風11号発生 秋雨前線が活発化するおそれも 防災ニュース

8月29日 南鳥島近海で発達していた熱帯低気圧が、8月28日15時に台風11号(ヒンナムノー)になりました。今後、月末にかけて本州に接近する予定です。秋雨前線を活発化させて大雨をもたらす可能性もあり、注意が必要です。

台風11号は、当初の予測よりも発達が急激で、約1日はやく熱帯低気圧から台風へと変わりました。このため、今後の進路や規模などのシミュレーションも正確に計算するのが難しい状況となっています。気象庁の予測では、最も本州に近づく31日時点でもそれほど大きくは発達しない見込みとしていますが、今後の変化には十分な注意が必要です。また、それほど大きな台風でなかったとしても、本州付近に停滞する秋雨前線を刺激して活発化させる可能性があり、大雨になることも予測できます。前線の活発化による大雨の場合は日本全体へ影響を及ぼすかもしれません。日本海側の地域も含め、今週は気象情報に十分注意してお過ごしください。
※台風11号の名称「ヒンナムノー」はラオスの提案による国立保護区の名前が由来です。

【台風の勢いの目安】
台風の勢いは、中心付近の最大風速によって区分されています。
・猛烈な:  風速54m/s以上
・非常に強い:風速44m/s以上54m/s未満
・強い:   風速33m/s以上44m/s未満
・表現なし: 風速33m/s未満

風の強さの目安としては、瞬間風速(3秒間平均)で、20m/sは風に向かって歩くのが難しくなってくる強さです。30m/sは自動車の運転が困難になる強さ、40m/sはトラックが横転するおそれのある強さ、50m/sは樹木が倒れる強さ、60m/sは住家が倒壊したり鉄骨構造物が変形したりする強さとされています。

表出典:気象庁 風の強さと吹き方 平成29年9月一部改正

台風は巨大な空気の渦巻で、反時計回りに風が吹き込んでいます。このため、進行方向に向かって右側の風が強くなり、左側の風は比較的小さくなります。気圧が最も低い中心部分は「台風の眼」と呼ばれ、風は弱まります。眼の近くの風は最も強くなります。

【台風の大きさの目安】
台風の大きさは、強風域の半径で区分します。
・超大型:800km以上
・大型: 500km以上800km未満
・表現なし:500km未満

大型の場合は本州の大半が入り込むほどの大きさ、超大型の場合は日本列島の大半が入ってしまう大きさになります。

図出典:気象庁 台風の大きさと強さ

気象庁では、風の吹き方と雨の降り方を階級表にまとめたリーフレットも公開しています。
台風情報が発表されたら、進路だけでなく、大きさや強さの数値にも着目し、暴風・大雨の予測と影響範囲をよく確認して備えておきましょう。

出典:気象庁 台風情報より台風11号(台風経路図)2022年8月28日18時

 

【参考情報】
気象庁 台風について
http://www.jma.go.jp/jma/kishou/know/typhoon/index.html
気象庁 リーフレット「雨と風(雨と風の階級表)」
http://www.jma.go.jp/jma/kishou/books/amekaze/amekaze_index.html

防災ログ事務局:南部優子


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