警報級の高潮を5日先まで毎日発表 気象庁 防災ニュース

2022年9月11日

9月11日 気象庁は、9月8日17時から、警報級の高潮の可能性を、台風など災害のおそれがある場合に限らず毎日発表する「早期注意情報(警報級の可能性)」の運用を開始しました。

画像出典:気象庁「警報級の高潮となる可能性を5日前からお知らせします~高潮に関する早期注意情報の運用開始~


 
これまで高潮の情報は、日本付近に災害が発生するおそれのある台風などの接近や通過が予想される場合に限り、5日先までの可能性を図形式で提供してきました。今回の変更は、高潮予測の技術改善により予測精度が向上したことと、台風以外の要因で高潮が発生する可能性についても具体的な評価が可能となったことを受けたものです。これまで、大雨、大雪、暴風雪、波浪について発表されていた「早期注意情報(警報級の可能性)」に、高潮が加わり、毎日情報提供されるようになりました。気象庁のホームページでは、「警報・注意報」の中で、「警報級の可能性」として5日先までの予測が高潮の欄に掲載されます。早期注意情報では、警報級の高潮が発生する可能性が[高]と[中]の2段階で示されます。これは、いずれも高潮の「警戒レベル1」に相当します。高潮による浸水が想定されている地域では、防災対応や早めの避難行動の判断材料として活用してください。
 
【高潮災害】
高潮は、台風など強く発達した低気圧の接近・通過に伴って海面の水位が上昇する現象を指します。波の一種ではあるものの、周期が数時間と非常に長く、海水面が全体的に盛り上がり、壁のように押し寄せます。桁違いに大きな量の海水により浸水が一気に広がって被害が拡大するおそれがあります。2018年に発生した台風21号による高潮では、関西国際空港が浸水したほか、空港と対岸を結ぶ連絡橋にタンカーが衝突して橋梁を損傷させ、約8000人が空港内に孤立する事態も招きました。

【早期注意情報】
早期注意情報は、気象庁が発表する情報で、発表当日から5日先までに災害をもたらすおそれのある警報級の現象が起こる可能性を示します。警報級の現象の可能性は、可能性がより高い[高]と、可能性が高くはないが一定程度認められるとする[中]の2段階で発表されます。早期注意情報で[高]や[中]が予想されている場合、災害への心構えの目安とする「警戒レベル1」に相当します。最新の防災気象情報を継続的に確認するなど、災害への警戒を高めてください。

防災ログ事務局:南部優子


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