国内最大の人的被害が発生した北海道佐呂間町竜巻災害 防災ニュース

2022年11月14日

11月14日 日本の陸上では、年におよそ25個ほど竜巻の発生が確認されています。1700ほどもある市町村の数からすると、竜巻に遭遇するのは極めてまれな現象ともいえそうですが、発生すると一気に甚大な被害を引き起こします。

2006年は1年のうちに大規模な竜巻災害が、9月に延岡市で、11月に北海道佐呂間町で発生しました。そのうち11月7日に発生した竜巻では、死者9名、負傷者31名と、最大の人的被害となりました。

竜巻が通ると、家屋は倒壊し、車は持ち上げられるなど甚大な被害が発生します。どこで発生するかの予測が難しく、また移動速度も速いため、危険を感じたらすばやく行動することが大切です。日頃からの準備として、さっと逃げ込める安全な場所(トイレや浴室、押し入れなど狭く壁がしっかりした場所)を決め、防災用品や貴重品などを持ち込めるようにまとめておきます。また、竜巻に巻き込まれないよう、庭木などで弱っているものは手入れするなどの飛散防止をとっておきましょう。警報やサイレン、竜巻注意情報などがすぐにとれるよう、情報の入手方法を確認するほか、いざというときの連絡先や通信手段を確認しておきます。

気象庁からは、積乱雲の下で発生する竜巻やダウンバーストなどの激しい突風の発生のおそれが高まった場合、「竜巻注意情報」を発表します。有効期間は発表から約1時間です。竜巻発生確度ナウキャストで確認することができます。竜巻発生確度ナウキャストは、10kmメッシュで竜巻やダウンバーストなどの発生しやすさを解析しており、実況と1時間先までの予測を行っています。竜巻注意情報が発表されたり、空の様子がいつもと異なる暗さになったり、突風や雷が発生したりした場合は、雨戸やシャッター、カーテンなどを閉め、屋外においてあるものを片付けて竜巻の発生に備えましょう。

<過去の主な竜巻災害>
2013年9月2日 負傷者76名、全壊32棟、半壊215棟 埼玉県さいたま市、越谷市、松伏町、千葉県野田市、茨城県坂東市
2012年5月6日 死者1名、負傷者37名、全壊76棟、半壊158棟 茨城県常総市、つくば市
2011年11月18日 死者3名、全壊1棟 鹿児島県徳之島町
2006年11月7日 死者9名、負傷者31名、全壊7棟、半壊7棟 北海道佐呂間町
2006年9月17日 死者3名、負傷者143名、全壊79棟、半壊348棟 宮崎県延岡市
1999年9月24日 負傷者415名、全壊40棟、半壊309棟 愛知県豊橋市

防災ログ事務局:南部優子


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