国交省、大雪時の大型車立ち往生対策を要請 行政処分の対象にも 防災ニュース

2022年12月14日

12月14日 今冬もラニーニャ現象が続いており、日本列島の広い範囲で大雪となる可能性が高まっています。国土交通省は、立ち往生の車両による通行障害を防止する対策として、冬用タイヤの装着・チェーンの携行と装着の徹底や、運輸事業者に対する輸送安全の確保措置、荷主対策などを実施します。

トラック・バス運送事業者に対しては、年末年始の輸送などに関する安全点検実施項目「大雪に対する輸送の安全確保の実施状況」について重点的に確認するよう要請します。冬用タイヤの溝の深さや滑り止めの措置がとられているかを確認し、大雪で安全確保が難しい場合には運行を中止するよう指示するなど、輸送の安全を確保するために必要となる措置をとることを求めています。悪質な立ち往生の事例が発生した際には監査が入り、事実関係を確認した上で対策が不十分と判断されると行政処分の対象となります。
荷主に対しても、大雪などの異常気象の発生などやむを得ない場合、運送経路の変更や運送中止を認めるともに、配送拠点への在庫積み増しや配送時間の前倒し、運送が可能な範囲での物資の融通など、運送事業者へ不要不急の運送依頼を控えるよう求めています。

近年の突発的な大雪により、数千台に及ぶ大規模な車両の立ち往生が多く発生しています。このような状況を踏まえ、大雪時の交通は、「道路ネットワークの交通機能の確保」から「人命を最優先にした車両滞留の徹底的な回避」へと方針を転換し、躊躇なく予防的・計画的に通行規制を行うこととしています。

近年の短期集中的な降雪では、道路の除雪作業を主体とした交通確保が難しくなっています。このため、道路はできるだけ通行止めにしないことを目標にするのではなく、安全確保を第一として早めに(気象予報や積雪状況に基づき概ね3時間前を目安に)通行止め区間を決めることを基本とします。大規模な車両の滞留をへらして通行止めになる時間をできるだけ短くすることにより、道路交通への影響を最小限に抑える方向へと変わったわけです。

ユーザー側では、次のような点に注意し、今シーズンの大雪に備えておくことをおすすめします。
<事前の対策>
●「冬の高速道路ガイド(安全チェックポイントマップ)」でスタックが発生しやすい場所を把握する
●移動前に天気予報、交通状況を確認する
●大雪が予測されるときは不要不急の外出を控える
●広域的な迂回や出発時間の変更など、運行計画を見直す
●冬用タイヤの装着とタイヤチェーンの携行(どちらか一方ではなく両方備える)

<積雪・凍結道路の運転上の注意>
●発進・登坂は低速ギアでゆっくりと行う
●坂道を登り終わるまでギアチェンジしない
●急発進・急加速・急旋回・急停止は厳禁
●速度を控えめにし、十分な車間距離をとる
●冬用タイヤを過信しない

大雪が予想される場合、降雪の3日前から外出を控えたり広域迂回を促したりするアナウンスが出される予定です。通行止め予測区間、開始日時、迂回経路などの詳細情報は、1日前から6時間ごとに更新され、定期的に公表されます。気象情報は事前に予報が出され、回避ができます。降雪・積雪に慣れていない地域も、慣れている地域も、対応力を超えた大雪になる場合を想定し、今から備えておきましょう。

防災ログ事務局:南部優子


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