冬の災害対策を見直しておこう 防災ニュース
2022年12月20日
12月20日 地震がもたらす社会への影響を検討する際、被害の想定は時間帯や季節別に設定します。社会生活の条件が時間帯や季節によって異なるためで、特に冬の夕方や夜に地震が発生した場合に最大となるものが多くみられます。冬場は、暖房器具の転倒やショートなどでの火災が起きやすく、さらには被災生活上次のような過酷な状態が起き、助かるはずの命が失われる災害関連死が増えてしまいます。
・低体温症
・凍傷
・感染症拡大
・心臓疾患、脳卒中、リウマチなどの既往症の悪化
・脱水
・喘息、気管支炎
・体温の低下による思考力の低下
避難所として開放されやすい体育館などの公共施設は、暖房設備がほとんどなく床は底冷えします。仮に設備があったとしても停電していると機能しませんし、差し入れされる暖房機器も、毛布などの防寒用品も十分ではありません。在宅避難やオフィスでの帰宅困難対策にしても同様です。停電すると暖房機器が使えなくなり、二次被害が広がる恐れがあります。
四季による寒暖や乾湿の差が大きい日本においては、災害への備えを「通年」「冬季」「夏季」の3つに分けておく必要があります。冬季は特に、次のような寒さを凌ぐ準備を手厚くし、すぐに使えるようセットしておきましょう。
・防寒具(ジャンバー類、帽子、手袋など)
・高機能下着
・毛布、寝袋、エアーマット
・使い捨てカイロ
・ポータブル暖房器
・体があたたまる食
・カセットコンロ
そのほか、車の燃料は早めに満タンにしておいたり、火災を防ぐ対策(火の元確認、消化器設置、自動で消火する器具の導入など)をしっかりと立てておくことも大切です。
本格的な冬がやってきます。冬季の災害は被害が拡大するものと心得え、冬支度を進めるのと並行して「もし今災害になったら」の備えをチェックしておきましょう。
防災ログ事務局:南部優子