冬の終わりにはラニーニャ現象が終息へ 防災ニュース
12月27日 長い間続いていたラニーニャ現象が、ようやく終息に向かっています。気象庁が「エルニーニョ監視速報」にて発表した2023年6月までの見通しによると、現在続いているラニーニャ現象は、冬の終わりには平常の状態となる可能性が高くなりました。
ラニーニャ現象は、太平洋東部の海水温が低くなる一方で西部のインドネシア近海の海水温が高くなる現象で、積乱雲が発達し風の流れに影響を与えます。その結果、偏西風が平年より蛇行する可能性が高くなり、寒気が流れ込みやすくなるとされています。
終息に向かう見通しとなったとはいえ、この冬はまだ引き続きラニーニャ現象の確立が高い状態が続いています。過去の例をみても、にラニーニャ現象が発生した場合、一時的に強い寒気が発生し大雪をもたらす可能性も捨てきれません。
【2021年から2022年にかけての冬】
強い寒気が複数回入り、北日本や日本海側を中心とした記録的な大雪に。滋賀県や兵庫県といった雪に慣れていない地域で観測史上1位を記録。
【2020年から2021年にかけての冬】
12月に強い寒気が流れ込み、大雪に。関越自動車道で1100台もの車両の立ち往生が発生。
【2017年から2018年にかけての冬】
西日本で32年ぶりの寒さに。日本海側で記録的な大雪、東京都心で20cmを超える積雪。
日本でこのような寒気が予測される一方、南米では少雨、インドネシアでは洪水など、世界的に様々な気象災害が発生する可能性があります。
ラニーニャ現象は、その背景に地球温暖化があるともされています。気象災害は、夏も冬も年々激しさを増し、極端になっていく傾向にあると心得て、今のうちから備えておきましょう。

画像出典:気象庁大気海洋部 エルニーニョ監視速報No.363 図2 5か月移動平均値が各カテゴリー(エルニーニョ現象/平常/ラニーニャ現象)に入る確率(%)
防災ログ事務局:南部優子