関東大震災から100年|2023年に周年を迎える地震災害 防災ニュース

2023年1月5日

1月5日 謹んで新年のご挨拶を申し上げます。年末の寒波で大雪になったところも多く、年明け早々から雪対策に追われている方もおられることと思います。四季が豊かな日本列島は、一方で目まぐるしく変化する気象の影響を受けやすく、また、四方からプレートがぶつかりあって形成された地形により、頻繁に地震も発生する「災害大国」です。例えば地震災害について、2023年を5年ごとに遡ってみていきましょう。死者が発生した大きな災害にしぼっても、全国でかなりの数にのぼります。

2018年(5周年)
・北海道胆振東部地震(9月6日、M6.7、最大震度7、死者43名、負傷者782名)
・大阪府北部地震(6月18日、M6.1、最大震度6弱、死者6名、負傷者462名)
2008年(15周年)
・岩手県沿岸北部(7月24日、M6.8、最大震度6弱、死者1名、負傷者211名)
・岩手・宮城内陸地震(6月14日、M7.2、最大震度6強、死者17名、行方不明6名、負傷者426名)
2003年(20周年)
・十勝沖地震(9月26日、M8.0、最大震度6弱、津波2.55m、死者1名、行方不明1名、負傷者849名)
1993年(30周年)
・北海道南西沖地震(7月12日、M7.8、最大震度5、津波あり、死者202名、行方不明28名)
1983年(40周年)
・日本海中部地震(5月26日、M7.7、最大震度5、津波あり、死者104名)
1948年(75周年)
・福井地震(6月28日、M7.1、最大震度6、死者3,769名)
1943年(80周年)
・鳥取地震(9月10日、M7.2、最大震度6、死者1,083名)
1933年(90周年)
・昭和三陸地震(3月3日、M8.1、最大震度5、津波あり、死者・行方不明者3,064名)
1923年(100周年)
・関東大震災(9月1日、M7.9、最大震度6、津波あり、死者・行方不明者10万5千人余り)

特に今年(2023年)は、関東大震災からちょうど100年という節目を迎える区切りの年です。関東大震災は、1923(大正12)年9月1日、正午の2分前に発生しました。相模トラフを震源とする海溝型の巨大地震とされています。発災時刻がお昼時だったのに加え、能登半島あたりを北上する台風の影響で強い風が吹きこんだことがわざわいとなり、大規模な延焼火災が発生しました。東京ドーム2個分の広さがあった旧陸軍被服廠(ひふくしょう)跡地の空き地では、竜巻のように炎がうずまく「火災旋風」が吹き付け、大勢の避難者を襲いました。炎の風は80m/sにも及んだとされます。

関東大震災は、死者・行方不明者だけで10万5000人あまりと最大の人的被害を起こしました。東京府を中心に、神奈川、千葉、埼玉、茨城、静岡、山梨に被害が広がり、被災者は人口の3割にのぼっています。横浜市に限れば実に93%、東京市で75%が被災しました。火災による焼失のほか、揺れによる倒壊、液状化による地盤沈下、土砂災害も多く、鉄道事故による大規模な死者もありました。沿岸部では高さ10m以上の津波も発生し、余震も3日余りで900回を超え、被害を深刻なものにしました。

関東大震災から100年。その間に発生した大小さまざまな地震災害を教訓に、わたしたちは大規模災害への備えを強めてきました。みなさんが進めておられる対策は、関東大震災のような規模を想定できているでしょうか。今年も地震や気象災害など全国で突発的な事態が発生するはずです。みなさんの地域で起きうる災害をイメージし、「人・モノ・カネ・情報」を整備して「そのとき」に備えましょう。

本年3月10日(金)から12日(日)にかけて、スイスの防災ダボス会議と連携した日本発の国際市民フォーラム「World BOSAI Forum」が仙台で開催されます。https://worldbosaiforum.com/
さまざまな実災害を教訓に「BOSAI」を世界に広げるWorld BOSAI Forumのようなイベントにもぜひ注目してみてください。


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