寒気の影響を受けやすい日が続く 真冬の災害対策を見直しておこう 防災ニュース

2023年1月23日

1月23日 気象庁が1月22日17時に発表した2週間気温予報によると、北日本、東日本、西日本の広い範囲で寒気の影響を受けやすくなり、かなり気温が低い日が続くと予想されます。また、日本海側を中心に降雪量がかなり多くなる可能性があり、積雪による交通障害・落雪などにも注意が必要です。

真冬に大災害が発生すると、降雪・積雪や厳しい寒さの中で対処に迫られ、より過酷な状況になることが予想されます。阪神・淡路大震災も東日本大震災も、寒さが厳しい時期に大地震に見舞われました。激しい揺れや津波などの現象による被害に加え、停電などが原因となって次のような事態が発生するおそれがあります。
・低体温症
・凍傷
・感染症拡大
・心臓疾患、脳卒中、リウマチなどの既往症の悪化
・脱水
・喘息、気管支炎
・体温の低下による思考力の低下

特に重要なのは防寒です。ライフラインが停止すると暖房設備に故障はなくても使えなくなります。災害発生直後の被害からは逃れたにもかかわらず、寒さが原因となって「助かるはずの命が失われてしまう」かもしれません。

1年の中で寒暖や乾湿が大きく変化する日本は、それだけ自然の表情が豊かであるとはいうものの、一方で、災害時にはこの気候の変化の大きさが対処を難しくします。災害対策は、こうした気候の違いを考慮して立てていきましょう。どの季節でも必要な基本的要素を「通年」とし、気温と乾湿の特徴をとらえた「冬季」「夏季」のオプションをセットにした備えが必要です。
冬季は特に、次のような寒さを凌ぐ準備を手厚くし、すぐに使えるようにしておきましょう。
・防寒具(ジャンバー類、帽子、手袋など)
・高機能下着
・毛布、寝袋、エアーマット
・使い捨てカイロ
・電気を使わない暖房器

特に、積極的に活用したいのがカセットコンロ・ボンベです。暖かいものを食べるたり飲んだりすることで体の中から温まります。また、ボンベを装着するタイプのミニ暖房機や、非常用発電機などもあり、多様な活用法が考えられます。東京ガスの実験調査によると、4人家族が1日3食カセットコンロを使って調理した場合、1週間に必要となる量は約5本としています。その他、お湯をわかしたり暖を取ったりするのに必要な量も加味して備えておきましょう。

厳しい寒さが続きます。操作チェックを兼ね、カセットコンロで鍋や鉄板焼など、家族で楽しみながら冬視点での備蓄の見直しを図るのもおすすめです。

防災ログ事務局:南部優子


関連ニュース