ペットの同行避難対策、できていますか? 防災ニュース

2023年3月27日

3月27日 災害時に避難するのは人間だけではありません。家庭内で飼われている犬や猫などのペットも、飼い主と一緒に避難する必要があります。飼い主がペットを連れて指定避難場所まで避難することを「同行避難」といい、災害時の飼育者の行動原則とされているのですが、一般への浸透はまだ十分ではありません。

アイペット損害保険株式会社が犬・猫の飼育者1,150名を対象に行ったアンケートによると、同行避難が原則だと認識していた飼育者は4分の1程度(犬27.9%、猫18.0%、全体23.5%)にとどまりました。4人に3人が災害時にペットを連れて避難する必要を認識していなかったことになります。また、避難所まで連れていく「同行避難」と、避難所で一緒に生活する「同伴避難」を混同している飼育者も4分の1程度(全体で24.9%)いました。自治体が実施する「ペットと同行避難訓練」に参加したことがある飼育者は1割程度(犬16.1%、猫7.4%、全体12.2%)と、ほとんどが同行避難を未体験であり、災害時のペットの保護に関する具体的なイメージがあまりもてていないようすがみてとれます。

動物愛護管理法の改正により、2022年6月1日から、購入した犬や猫のマイクロチップの装着・登録が義務化されました。装着率は3割程度(犬39.1%、猫20.3%、全体30.7%)で、法改正前と比べると増加はしています。ただ、増加した理由では「義務だと感じたから」(全体で30.9%)との回答が多く、「災害対策として」(全体で5.9%)を大きく引き離しています。

災害時には、突然の発生によって人間だけでなくペットもパニックになります。倒れた家具に挟まれたり、飛散したガラスを踏んだりして怪我を負う、怯えて外に飛び出して行方がわからなくなる、ペットを受け入れている避難場所がわからず路頭に迷うといったペットの安全確保に関する問題が、実際の災害で起きています。避難先でも、ペットフードの支給まではない方が一般的ですし、鳴き声や匂い、感染症の懸念、毛の飛散、ペットアレルギーなどのトラブルが発生するおそれもあります。

災害時のペット対策として、環境省からガイドラインも公開されています。
以下の対策を参考に、家族同然に大切にしているペットへの気持ちを災害対策にも向けて備えておきましょう。
・飼育場所の耐震対策
・トイレなど基本的なしつけ
・安心して隠れられる場所(ケージなど)の確保
・予防接種、寄生虫駆除、シャンプー・トリミングなどの衛生対策
・不妊去勢措置
・マイクロチップ装着による迷子対策
・ペット用の避難用品の備蓄
・同行避難訓練
・一時預け先の確保

出典:環境省「災害、あなたとペットは大丈夫? 人とペットの災害対策ガイドライン<一般飼い主編>」より、災害発生時の同行避難のフロー図

https://www.env.go.jp/nature/dobutsu/aigo/2_data/pamph/h3009a.html

防災ログ事務局:南部優子


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