千葉県南部で震度5強の地震 地震はいつ・どこでも発生する 防災ニュース

2023年5月12日

<5月12日掲載> 能登半島で余震が続く中ですが、関東地方でも強い地震が発生しました。千葉県南部で早朝に大きな地震が発生しました。5月11日午前4時16分ごろ、千葉県南部で最大震度5強を観測する地震がありました。地震の規模はマグニチュード5.2(暫定)、震源の深さは約40km。フィリピン海プレート内部で発生した地震です。この地震による最大震度は、千葉県木更津市で震度5強、君津市で震度5弱を観測したほか、千葉県、東京都、神奈川県の各地で震度4となりました。この地震により、各地で転倒による怪我などの負傷者のほか、屋根瓦や陳列物、照明器具の落下などの被害が発生しています。
津波の心配はありませんでしたが、揺れの強かった地域では地盤が緩んでいる可能性があり、落石やがけ崩れなど、今後の雨による土砂災害の危険性が高まっているため、木更津市の土砂災害警戒情報の発表基準が通常の8割程度に引き下げられる暫定基準の運用がなされています。

千葉県が位置する関東地方は、東の太平洋プレートと南のフィリピン海プレートという2つの海側プレートが沈み込んでひずみを蓄積しているため、地震活動がもともと活発なエリアです。関東南部の沖合でフィリピン海プレートが沈み込んでいる相模トラフのプレート境界で発生したのが、今からちょうど100年前の「関東大震災」でした。

関東大震災が発生した1923年から2023年までの100年間に千葉県で震度5弱以上を観測した地震は、今回の地震を入れて24。約4年に1度は大きな地震が発生している計算になります。

気象庁 データベース検索 1923/5/10~2023/5/9に千葉県で震度5弱以上を観測した地震

日本列島は、四方をプレートに囲まれ、1年間に数cmの速さで海側のプレートが陸側のプレートの下に沈み込み、ひずみを溜め込んでいます。全国各地、いつどこで巨大地震が発生しても不思議ではないのです。能登半島の地震など、先日来地震の報道が相次いだため、急に地震が活発になったように感じておられる方も多いかもしれませんが、日本がそもそも有数の地震国なのだということを今一度思い起こし、突然の発生に備える事前対策を見直しておきましょう。

今回の地震は明け方に発生したということで、1995年1月に発生した阪神・淡路大震災を連想された方もおられたと思います。就寝中の地震の場合、揺れによる建物や家具などの倒壊や落下から身を守ることがとても難しく、身体の一部を押さえ込まれて圧死するケースも多くなります。また、今回の地震は5月という気候も穏やかな時期だったため、阪神・淡路大震災のときのように暖房器具の転倒による火災の多発・延焼の心配はせずにすみましたが、もう少し時間がずれて朝食の支度がピークになる頃だったら(関東大震災のときは正午前の昼食時でした)大きな被害が発生していたかもしれません。

地震はいつ起きるかわからないため、最大の防御は揺れによる被害を極力少なくする耐震対策です。建物自体が潰れてしまわないよう耐震補強をする、大きな家具や証明などは固定する、棚からものが飛び出さないようにする、窓ガラスにフィルムを張って砕け散らないようにするなど、どんな時間帯に地震が起きても最低限の安全が確保できるよう対策を講じてください。地震への備えのポイントは、まず耐震と火災。備蓄や避難の備えももちろん重要ですが、それ以上に、生命を守るための耐震対策・火災防止の対策を強化しておきましょう。

防災ログ事務局:南部優子


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