線状降水帯の予測改善 発表されたらキキクルで確認を 防災ニュース

2023年6月26日

<6月26日投稿>平年より早めの梅雨入りとなり、台風第2号が接近した際には四国・近畿・東海地方を中心に、大雨による被害が各地で発生しました。「顕著な大雨に関する気象情報」として線状降水帯の発生が各地で発表されたのも記憶に新しいところです。
線状降水帯が発生した際に発表される「顕著な大雨に関する気象情報」は、これまでは線状降水帯が発生したと認められる基準を満たした後に発表されていましたが、現在は30分程度先までの予測をもとに発表されるようになり、より早く情報が伝えられるようになっています。大雨をもたらす線状降水帯の情報については、2021年度から線状降水帯の発生を知らせる情報提供が開始され、2022年度から半日程度前から呼びかけるようになり、2023年度からさらに30分程度前倒しで発表されるようになったわけです。気象庁では、今後も観測の強化・高度化の取り組みを続け、2026年度からは2~3時間前を目標に発表できるようになるなど、予測精度を段階的に向上させるとしています。

では、線状降水帯の発生が予測されると発表があった場合、どんな行動をとればよいのでしょうか。気象庁では、大雨による災害発生の危険度(警戒レベル)を5段階で色分けした「危険度分布」を発表しています。
・レベル1(白):今後の情報に留意する
・レベル2(黄):「注意」避難行動を確認する
・レベル3(赤):「警戒」高齢者は避難/それ以外も避難準備や自主避難を判断する「高齢者等避難」
・レベル4(紫):「危険」災害がさし迫っている/該当する地域の人は直ちに避難する「避難指示」
・レベル5(黒):「災害切迫」災害が起きている可能性が高い/命を守る行動をとる「緊急安全確保」

この危険度分布は「キキクル」と呼ばれ、以下の災害情報が提供されています。
・土砂キキクル:大雨警報(土砂災害)の危険度分布
・浸水キキクル:大雨警報(浸水害)の危険度分布
・洪水キキクル:洪水警報の危険度分布

キキクルと併せて、高齢者等避難が出される警戒レベル3(赤)や、避難指示が出される警戒レベル4(紫)など、危険な状況になるとスマートフォンなどへ自動的にお知らせが届くプッシュ型の通知アプリも各社から提供されています。いざというときに素早く行動できるよう、予め登録しておき、避難の判断に活用しましょう。

【線状降水帯とは】
線状降水帯は、次々と発生する積乱雲が列をなして積乱雲群となり、数時間にわたってほぼ同じ場所に停滞あるいは通過していく雨域です。長さは50~300km程度、幅は20~50kmと、細い帯のようになって、同じような場所へ大量の雨が数時間にわたり降り注ぎ、河川の氾濫や土砂災害を引き起こします。

参考情報:
気象庁 線状降水帯の予測精度向上
https://www.jma.go.jp/jma/kishou/know/jma_suigai/jma_suigai.html

気象庁 キキクル(警報の危険度分布)
https://www.jma.go.jp/jma/kishou/know/bosai/riskmap.html

気象庁 キキクル、噴火警報・噴火速報のプッシュ型通知サービスについて
https://www.jma.go.jp/jma/kishou/know/bosai/push_tsuchi.html

(画像:気象庁 線状降水帯の予測精度向上 より、線状降水帯に関する情報の改善)
https://www.jma.go.jp/jma/kishou/know/jma_suigai/jma_suigai.html

防災ログ事務局:南部優子


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