日本海溝・千島海溝周辺海溝型地震の応急対策計画を公表|内閣府 防災ニュース

2023年7月6日

<7月6日投稿>東北から北海道の太平洋側にかけて広がる日本海溝・千島海溝を進言とする巨大地震が発生した場合の国や自治体が実施すべき事項をまとめた応急対策活動計画が公表されています。震源域の広い海溝型地震は、津波を伴う巨大な地震となって甚大な被害になるおそれがあります。政府の行った被害想定によると、日本海溝地震で約19万9000人、千島海溝地震で約10万人(冬・深夜)と予測されています。さらには、北日本特有の以下のような地理的課題も山積みです。

<積雪寒冷地特有の課題>
・積雪により避難に時間がかかる
・低体温症のリスクが高まる
・積雪による倒壊や凍結などの被害が増える
・積雪や凍結が輸送や復旧対応の阻害要因となる
・雪崩や落雪での被害が高まる

<地理的条件による課題>
・都市間の距離が長く、応援体制に懸念
・地理的条件による応援到着までに時間がかかる
・北海道はエリアが膨大であり、陸路以外の交通手段が必要

今回の応急対策計画では、上記のような特有の課題に対し、特に人命救助に重要な初動の72時間を意識しつつ、輸送ルートの確保、救助・救急、医療、物資輸送、燃料・電力・通信などのインフラについて、行動目標とタイムラインが設定されています。また、それぞれの対策について、北海道へ7割、東北地方太平洋側へ3割といった具合に、甚大な被害が想定されている地域への支援が優先的に行われるように、具体的な部隊の派遣やプッシュ型の物資支援などが計画されています。

国民に対しては、地震への備えとして以下の協力を呼びかけています。
<平時の備え>
・安否確認手段、避難場所・経路の確認
・最低3日分(推奨1週間分)の水、食料、燃料、携帯トイレなどの備蓄
・家具の固定や暖房器具の転倒防止、感震ブレーカー設置などの地震対策

<発災時の対応>
・揺れから身を守る
・津波から避難する
・市街地火災から避難する(ブレーカーを落として)
・物資、燃料の買いだめや買い急ぎをしない
・近所で助けあう

参考
内閣府 日本海溝・千島海溝周辺海溝型地震防災対策
https://www.bousai.go.jp/jishin/nihonkaiko_chishima/index.html

画像出典:日本海溝・千島海溝周辺海溝型地震における具体的な応急対策活動に関する計画 概要版


https://www.bousai.go.jp/jishin/nihonkaiko_chishima/pdf/nihonkaiko_chishima_oukyu_keikaku01.pdf

防災ログ事務局:南部優子


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