対象自治体を限定せず激甚災害の指定へ|令和5年の大雨 防災ニュース

2023年8月1日

<8月1日投稿>政府は、7月初旬から各地で発生した梅雨時期の大雨災害(令和5年梅雨前線豪雨等による災害)に対し、全国の被害について激甚災害に指定する方向であると公表しました。今回の大雨は、6月28日~7月6日、7月7日~13日、7月14日~16日と、約半月のあいだ、梅雨前線の停滞と活動の活発化によって以下のように全国各地で災害が発生しました。
・6月28日~7月6日:沖縄地方を除く全国
・7月1日~3日:山口県や熊本県、鹿児島県で線状降水帯が発生
・7月7~10日:西日本から東北地方(特に九州北部地方や中国地方を中心に線状降水帯発生)
・7月11~13日:山陰・北陸・北海道地方を中心に大雨、北陸で線状降水帯発生
・7月14~16日:東北地方を中心に大雨
今回の大雨により、死者・行方不明者15名、重軽傷者18名、全半壊や浸水など建物被害4,393棟と、東北地方から九州地方まで大きな被害が発生しました。

激甚災害の指定により、以下の措置が指定され、国からの補助率がかさ上げされる見込みです。ただし、激甚災害の具体的な期間や対象の指定については、また被害の調査中であることから、今後変更される可能性もあります。
(1) 公共土木施設災害復旧事業等に関する特別の財政援助(法第3条、第4条)
(2) 農地等の災害復旧事業等に係る補助の特別措置(法第5条)
(3) 農林水産業共同利用施設災害復旧事業費の補助の特例(法第6条)
(4) 公立社会教育施設災害復旧事業に対する補助(法第16条)
(5) 私立学校施設災害復旧事業に対する補助(法第17条)
(6) 小災害債に係る元利償還金の基準財政需要額への算入等(法第24条)

写真出典:内閣府 令和5年梅雨前線による大雨に係る現場視察に係る報告 令和5年7月27日より 上:立山町白岩の農地被害現場、下:南砺市砂子谷の土砂災害現場

防災ログ事務局:南部優子


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