9月1日は「防災の日」由来となった関東大震災は今年で100年 防災ニュース

2023年9月2日

<9月2日投稿>災害大国と呼ばれる日本。国土面積は世界の0.25%ほどしかないにもかかわらず、マグニチュード6以上の地震が発生する割合は18.5%と桁違いに自然災害の発生が多く、日頃の備えが不可欠です。そこで、9月1日を「防災の日」、前後の1週間(8月30日から9月5日まで)を「防災週間」として全国で啓発イベントなどが行われます。

9月1日が防災の日とされたのは、今からちょうど100年前に起きた「関東大震災」が由来です。関東大震災は、1923(大正12)年9月1日、正午の2分前に発生しました。現在の東京都と神奈川県を中心に、千葉、埼玉、茨城、静岡、山梨に被害が広がり、被災者は人口の3割にのぼっています。横浜市に限れば実に93%、東京市で75%が被災しました。

発災時刻がお昼時だったのに加え、能登半島あたりを北上する台風の影響で強い風が吹きこんだことが重なりました。大規模な延焼火災が発生し、10万5000人あまりという最大の人的被害となったのです。そのほか、揺れによる倒壊、液状化による地盤沈下、土砂災害も多く、鉄道事故による大規模な死者もありました。沿岸部では高さ10m以上の津波も発生し、余震も3日余りで900回を超え、被害を深刻なものにしました。

関東大震災から1世紀近くになりますが、日本列島はその後も大規模な災害に見舞われ続けています。複数の死者が発生した震度6弱以上の地震に絞っても19件、平均すると5年に1度は大地震に見舞われているといえます。加えて豪雨や台風などによる気象災害も、毎年のように発生しています。顕著な被害が発生し、気象庁が名前をつけるほどの甚大な災害だけでも平成以降で16件と、2年に一度は大規模な気象災害が発生しているのです。

地震と風水害を合わせれば、ほぼ毎年、何らかの自然災害が日本のどこかで発生しているといえるでしょう。災害は、規模が小さくても被災すれば社会生活に甚大な影響を与えます。9月1日の「防災の日」をきっかけに、地震や風水害などさまざまな災害に対する意識を高め、心構えや対策準備をしておきましょう。

■いざというときの連絡は「災害時伝言サービス」で
家族など身近な人と離れたときに被災した場合の連絡手段として活用したい「災害時伝言サービス」は、防災週間は実際に登録して伝言の練習ができる体験期間となっています。防災週間のほか、毎月1、15日、正月三が日、阪神・淡路大震災ゆかりの「防災とボランティア週間」にも体験できます。

職場の連絡手段は決まっていても、家族や親戚などとの連絡手段はとくに決めていないという人も多いのではないでしょうか。普段ならストレスなくできる連絡も、災害時には重要な災害対応機関の通信環境を守るために一般の人たちが利用する通信回線を制限する通信規制が行われ、極端に環境が悪くなります。

このような通信環境下で消息を入れておけるのが「災害時伝言サービス」です。固定電話や携帯電話から「171(いない)」へ電話し、被災者が消息を残しておくと、全国からその音声を聞いて確認できるというしくみです。インターネット経由で登録できるWEBサービスもあります。災害が起きるとどこに被害が及ぶかわかりません。複数の手段で着実な連絡がとれるように備えておきましょう。

■備蓄の整備は「ローリングストック」方式で効果的に
大規模な災害が発生すると、ライフラインが止まってしまうだけでなく、被災地への輸送ルートも途絶えます。災害発生直後は救命・救助が最優先とされてしまうため、物資が入ってこなくなり、お店の棚から商品が消えてしまいます。そこで、最低で3日間、最悪を想定した大規模災害だと7日間の備蓄をもっておき、うまく管理していく必要があります。

ところが、長期保存の備蓄品は、何年もそのままにしておけることから、いざというときに賞味期限切れとなってしまいがちです。運用がシステム化できる職場の備蓄ならそれでも管理できるでしょうが、家庭の場合の備蓄は「ローリングストック」方式で準備することをおすすめします。

ローリングストックは、ふだんから食料や日用品を、(1) 防災を意識してちょっと多めにストックしておく、(2) 先に買ったほうから使っていき、使った分だけ買い足していく という、循環型の備蓄法です。食べながら、あるいは使いながら補充していくため、期限切れのまま放っておくリスクを減らすことができます。

たとえば年に1度、防災の日にあわせて在庫の種類や備蓄数をチェックして災害への意識を高め、こまかな確認や補充はローリングストックの考え方で普段から途切れず備蓄を確保する、という備え方もおすすめです。

■訓練に参加し、とっさの動きをイメージしよう
災害の中でも地震は、いつ起きるかわかりません。どんなに備えていても、いざとなると頭が真っ白になって動くことができなかったと、多くの被災者が語っています。災害時には普段行っている以上のことはできない、それどころか普段行っていることさえできないと、よく言われます。自衛隊や消防・警察などの頼もしい活動が発災直後から行われているのは、日頃からの訓練のおかげです。

訓練は、災害発生時の状況をイメージしながら自分の役割や対応内容を確認するものです。実際に手足を動かしやってみることにより、対応に課題はないか、備えに不足はないかなどを検証します。訓練で行動や操作がすばやくなるだけでなく、円滑な対応のために改善すべき課題を絞り込み、効果的な対策を打つことができます。そして、実際の被害などの影響を想像することにより、災害への心構えを強化していけるのです。

訓練でよく知られているのは消火訓練や避難訓練ですが、そのほかにも、シェイクアウト訓練(地震発生時の安全確保行動である「まず低く、頭を守り、動かない」という状態をとってみる訓練)や安否確認訓練、徒歩移動訓練、イメージトレーニングやハザードマップを使った机上訓練、シミュレーション訓練など、さまざまな種類があります。

防災週間には自治体が企画する訓練もたくさんあります。訓練ツールを提供しているところもあります。訓練を平常時の備えのひとつに加え、とっさの行動を適切に行えるようにしていきましょう。

関東大震災後の御遺骨を納めるため設立された東京都慰霊堂

防災ログ事務局:南部優子


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