帰宅困難対策、イメージできていますか? 防災ニュース

2023年12月20日

<12月20日投稿>コロナ禍からようやく抜け出して迎えた年末。人も物流も動きが活発になり、平日・休日を問わず、大勢の人や車両が行き交うようになってきました。クリスマスに年越しとにぎやかな時期だからこそ意識しておきたいのが、外出時のリスク、帰宅困難者対策です。

帰宅困難者問題は、都市部など人口が集中するところで深刻化します。東日本大震災の教訓を受け、現在の帰宅困難者ガイドラインでは、大規模地震発生時には救助救急などの緊急活動を妨げないよう帰宅を抑制する方針になっています。外出時に地震と遭遇すると、通信規制で連絡がつかない状況の中、家族の安否やペットが気がかりになるなどの心理的要素もあって、できるだけ早く帰宅したくなるものです。しかし、自分ひとりぐらいは動いても影響ないだろうと考え、みんなが連絡をとり帰宅しようとすると、積もり積もって通信の輻輳を生んだり、道路にあふれかえる帰宅者の人並みや車の渋滞で緊急対応車が通れなくなったりし、大きな影響を与えてしまうのです。特に、朝夕に通勤移動の波があり昼間人口が集中する都市部では、一人ひとりのちょっとした動きが大きな影響につながります。

こうした状況をイメージし、企業が帰宅困難者を受け入れて帰宅抑制を図る対策を考える訓練のひとつに「KUG(帰宅困難者支援施設運営ゲーム)」があります。HUG(避難所運営ゲーム)を参考にして開発されたもので、大規模な地震・津波発生時に企業が果たすべき帰宅困難者の受け入れや、滞留者への対応を疑似体験し、対策の課題を検討できます。職場でぜひ一度、試してみてください。

また、個人での外出時の備えとして、万一のときに必要となる必要最低限のものをまとめておくと安心です。下記のようなグッズを「防災ポーチ」にまとめれば、かばんを替えたときでもさっと移し替えができて便利です。使用期限があるものは、ローリングストックの考え方で普段から使いまわしておくとよいでしょう。
・モバイルバッテリー、ケーブル
・小銭
・携帯トイレ、アルミブランケット、携帯用カイロ
・小型のライト、ホイッスル
・常備薬、コンタクトレンズケアの予備、生理用品
・常温の飲み物、機能性食品
・ウエットティッシュ、消毒スプレー、マスク

防災ログ事務局:南部優子


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