令和6年能登半島地震 最大震度7 津波による被害も 防災ニュース

2024年1月6日

<1月6日投稿>元旦の夕方、大地震がまちを襲いました。地震による津波や大規模な延焼火災も発生し、行方不明者も多数出ています。ライフラインの途絶、交通機関の運行停止や道路の寸断など、発災から5日経った6日現在でもまだ被害の全容はつかめず、救助が被災地に届きづらい状況も続いています。

2024年1月1日16時10分、石川県能登地方にマグニチュード7.6(暫定値)の地震が発生しました。震源の深さは16km(暫定値)とごく浅く、激しい揺れが能登半島を襲いました。最大震度は志賀町(しかまち)の震度7。被害が発生しやすくなる震度5強以上の地域は、石川県のほか、福井県、富山県、新潟県と北陸地方の広範囲に及んでいます。さらに、石川県能登では長周期地震動階級4を観測しました。地震活動はとても活発で、1月1日16:06の最大震度5強の地震以降、1月5日04:00までに震度1以上の有感地震は789回(うち震度7 1回、震度5強6回、震度5弱6回)を観測しています。

この地震は逆断層型の地震でしたが、地震による津波が発生し、津波警報・注意報は北海道太平洋沿岸西武から山口県の壱岐・津島まで及びました。地震発生から11分後の16:21に石川県の輪島港で1.2m以上の津波到達を観測したほか、北海道、山形県、新潟県、富山県、福井県、京都府、兵庫県、鳥取県で0.4~0.9mの津波を観測しています。津波注意報が解除されたのは翌2日10:00でした。

この地震により、石川県・富山県の各地で大規模な火災も発生しました。輪島市・珠洲市の火災では、翌朝になっても消火活動が続いていました。そのほか、新潟県上越市の石油コンビナートで小規模火災も発生しました。

この地震・津波や大規模火災などにより、多くの死者・行方不明者が出ています。1月5日07:30時点の内閣府の集計では死者84人、行方不明者6人となっていますが、輪島市や珠洲市、能登町では大規模火災による消失や倒壊した家屋が多数あって全体状況はつかめておらず、被害状況の把握を急いでいるとのことです。県は安否不明の211人の氏名や所在地などを公表し、情報提供を求めています。そのほか、石川県では孤立集落・要支援集落が輪島市、珠洲市、七尾市、穴水町、能登町、志賀町と多数発生し、救助を待っています(いずれも6日9時、石川県公表)。

避難所は、真冬の地震災害で寒さとの戦いにもなってきました。道路の寸断などにより物資や燃料の供給も不足しており、災害関連死などの被害の連鎖も懸念されます。2日5時現在で避難所数1,327箇所、避難者数5万1,605人を数えました(内閣府公表)。5日6:00時点でも、石川県・富山県・新潟県で393箇所3万3,662人が避難生活を続けています。

大地震は、被害の全容が把握できるまでに相当の時間がかかり、どの組織も手探りで救助・被災対応を尽くしています。被災地外の者ができることは、全力で災害対応を行っている方々の活動を妨げない支援です。よかれと思ってとった行動が結果的に災害を広げてしまいかねません。以下のような行動には特に注意したいところです。

・現場にいる人に安否を尋ねるような連絡を入れて通信をふさがない(安否確認は171などで)
・出処のわからない不確かな情報や古い情報を流さない(リンクを貼るなら県など公式サイトを)
・食料や衣服を個人で送らない(送るならお金を公的団体への寄付・ふるさと納税などにして)
・心配でも様子を見に行くだけで現地に入らない(渋滞すると救助・物資の車が動けない)
・個別にボランティアに行かない(被災地の受け入れ態勢をサイトで確かめて自活できる装備で)

石川県ほか各自治体や団体の公式が流す情報をもとに、被災地がほんとうに求めている行動が何かをよく考えて災害対応を応援しましょう。

画像出典:気象庁 地震情報: 詳細情報 2024/01/01 16:24 発表

防災ログ事務局:南部優子


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