能登半島地震で企業防災の大切さを95%が実感(企業アンケート) 防災ニュース

2024年2月5日

<2月5日投稿>令和6年能登半島地震の発生から1か月が経ちました(被害状況などの詳細は末尾に記します)。帝国データバングが行った能登半島地震の影響と防災に関する企業アンケートによると、今回の地震を受けて企業防災の大切さを改めて実感した企業は約95%に及んでいます。具体的には、備蓄や連絡体制・対応体制の整備が3大トップとなり、実行性を意識したBCPの重要性に言及する回答もみられました。

株式会社帝国データバンク(東京都新宿区)は、2024年1月12日~17日、令和6年能登半島地震による影響と企業防災に関する意識調査をインターネットにて実施しました(能登地方を除く)。有効回答企業数は1,255社でした。調査結果によると、企業の94.9%が「企業防災」の大切さを改めて実感したと回答し、実災害のもたらすインパクトの大きさがみてとれます。

具体的な重要項目として挙がったのは、飲料水・非常食などの備蓄(39.2%)、社内連絡網の整備・確認(38.3%)、非常時の社内体制の整備・ルール化(31.6%)で、これまでの防災対策が形骸化していないか、実効性の高いものになっているかを再認識したようすがうかがえます。

画像出典:株式会社帝国データバンク 能登半島地震の影響と防災に関する企業アンケート

今回の地震で生じた影響に関する回答では、外注先や仕入先、サプライヤーの被災により事業が不安定になった/納品先の被災や道路状況で出荷できない/など生産チェーンに影響するものや、消費者マインドの低下や被災地域と連動した産業でのキャンセル発生・取引先の自粛といった風評被害などが挙げられています。
物流網・情報網が広域になっている現在、大規模災害は、地方で発生したエリア限定であっても、全国の経済活動にさまざまな影響を与えてしまうことがわかります。

防災対策に関する企業の声の中には、得意先や仕入先の被害確認や、災害対応マニュアルの整備、物流への備えなど、自社だけでなくサプライチェーンや地域における影響を考慮したBCP(事業継続計画)の重要性に触れたものが多くみられます。

日本は地震だけでなく、大規模風水害や土砂災害など、災害の形態もさまざまで、いつどこでどんな影響を受けるかわかりません。企業活動の場合は、人命の安全確保を前提にしつつ、組織を維持するための事業継続に向けた被害の回避・軽減対策が不可欠です。今一度、自社の周囲にも視点を広げ、災害への備えを見直してみることを強くおすすめします。

株式会社帝国データバンク 能登半島地震の影響と防災に関する企業アンケート
https://www.tdb.co.jp/report/watching/press/pdf/p240109.pdf

————–
能登半島地震 内閣府被害報告(1月31日時点)
・地震:最大震度7(志賀町) 1/1 16:06以降、震度1以上を観測した地震は1,560回
・火災:17件(うち石油コンビナート等特別防災区域内1件)
・人的被害:死者238名、重軽傷者1,288名 ※確認中のため未反映の自治体もあり
・住家被害:全半壊、一部損壊、床上・床下浸水等 26,541棟 ※確認中いまだ多数
・避難状況:避難所521箇所、避難者14,659名
・ライフライン:断水約4.2万戸、停電約2,500戸、通信 固定約890回線ほか一部エリアに支障
・通行止:補助国道14区間、県道59区間
・鉄道:運転見合わせ2路線(のと鉄道は被害大きく運転再開の見込みなし)

防災ログ事務局:南部優子


関連ニュース