能登半島地震は13秒差で2度発生した 防災ニュース

2024年2月13日

<2月13日投稿>令和6年能登半島地震の発生メカニズムが少しずつ解析されてきています。京都大学防災研究所によると、今回の地震では、マグニチュード7.3に相当する大規模地震が13秒差というわずかな時間差で発生したことにより、エネルギーが2倍になり、甚大な被害をもたらした可能性が出てきました。

この解析は、地震波のデータから断層のずれを解析したもので、複数の断層が13秒差で連動したことにより、2つの地震の中間に位置した珠洲市での揺れが強くなった可能性が指摘されています。時間差で発生した2つの地震の規模はいずれもマグニチュード7.3相当とされ、連動して発生したためエネルギーやマグニチュード7.6規模にまで大きくなった可能性があります。マグニチュードは、地震の規模(エネルギー)を表す単位です。マグニチュードが0.2大きくなるとエネルギーの威力は約2倍、1.0大きくなると約32倍、2.0大きくなると1000倍にもなります。

また、これらの地震の4分前にはマグニチュード5.5の地震も発生していました。このように、先に起きた地震が引き金となって地震を起こすものは連動型地震と呼ばれます。2011年に発生した東日本大震災も、少なくとも3つの断層が連動したためマグニチュード9.0という巨大地震になったと考えられています。南海トラフ地震でも、連動型の地震発生を想定した臨時情報のしくみが整備されてきています。断層が連動するメカニズムはまだ詳細にはわかっていませんが、複数の断層の影響を受ける地域は全国にどこでも存在します。今回のように近くの地震発生がきっかけとなって巨大地震が起きる連動型地震の可能性も想定しながら、対策の整備強化に努めていきましょう。

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能登半島地震 内閣府被害報告(2月8日時点)
・地震:最大震度7(志賀町) 1/1 16:06以降、震度1以上を観測した地震は1,614回
・人的被害:死者241名、重軽傷者1,532名
・住家被害:全半壊、一部損壊、床上・床下浸水等 41,479棟 ※確認中あり
・火災:17件(うち石油コンビナート等特別防災区域内1件)
・避難状況:避難所523箇所、避難者13,535名
・ライフライン:断水約3.8万戸、停電約1,700戸、通信 固定約560回線ほか一部エリアに支障
・通行止:高速道路1路線2区間 南向き、補助国道3路線12区間、県道54区間
・鉄道:運転見合わせ2路線(のと鉄道は被害大きく運転再開の見込みなし)


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